(854)Bianchi ARIAに乗って姫路へ~余裕をかます愚かな俺~

左手に流れる明石川を眺めながら、ゆっくりと脚を回し始める。
さぁ、後半戦のスタートだ。

予約したホテルがある姫路へは、あと40㎞ほど。
のんびり走っても、2時間程度でゴールだ。
「余裕、余裕」

さて、前にも記したが、今回のルートは「姫路明石自転車道線」。
序盤は明石の海側を進み、途中で北上。
新幹線の高架まで出て、高架下を西へ、姫路へと向かう。
まぁ、ネットで調べたところ、一本道ではないため、分かりにくい箇所もあるだろう。
ただ、「とにかく海側」と「ヤバくなれば新幹線の高架」。
この2点を意識すれば、何となるはず。
「余裕、余裕」

前を向くと、すぐそこに海が見える。
「いいねぇ」
しばらくは、車が走っていない上に信号も無い道が続くのだ。
「いいねぇ」
自然と脚が回る。
軽快に回る。
が、ちょっと待て。
急ぐ必要など無い。
姫路までちんたら進んでも、所詮は2時間程度。
「余裕、余裕」

いや、俺は判断を誤った。
「走りながら牛丼屋を見付けたら、寄って行こう」
そう思っていたが、ある訳が無い。
車の走らない、走れない海沿いの道に、吉野家やすき家が店を構える訳が無い。
「常識で考えたら、そうなるよなぁ…」
「あぁ…。牛丼、食いたいねんけどなぁ…」

しかし…だ。
気を取り直して行こう。
繰り返すが、ホテルのある姫路まで40㎞ほど。
2時間もあれば着く。
たかが2時間、牛丼を食わなくても死なない。
また、牛丼ではないが、ホテルに着けば無料の夕食が用意されている。
ここでルートを変更し、無理にでも牛丼を食ってしまうと、ホテルの夕食を味わって食べられない可能性もある。
ダメだ。
切り替えよう。
そう、切り替えよう。
牛丼よりも、ホテルの夕食にターゲットを絞ろう。
走りながら空腹と向き合わなければならないが、たったの2時間だ。
「余裕、余裕」

後ほど「余裕をかましていた俺は、あまりにも愚かだった」と痛感する。
それは、この日に限ったことではない。
また、ライドのみならず、仕事でも私生活でもそうだ。
見込みが甘すぎる。
不安を感じ始めると、とことん神経質になるくせに、余裕を感じると徹底的にだらしない。
「はぁ…」
溜め息が出る。
40を過ぎると、染み付いてしまった習慣はどうしようもないのか?

まぁ、いい。
それはいい。
後悔や反省は、後で大いにしよう。
とにかく…だ。
この時の俺は、余裕をかましてクランクを回した。

つづく

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