(870)Bianchi ARIAに乗って姫路へ~無駄に休憩した後、北へ走る~

脚を止める。
「あら?行き止まりみたいやわ。海沿いの道、ここで終わりか?」
「じゃあ、次は…と」
いちいちGoogleマップを確認するのが煩わしいため、頭の片隅にある不正確な地図を開く俺。
「とりあえず、北に進んで町中を抜けて、そっから新幹線の高架が見えるとこまで行ったらええな」
「ほな、行きましょか」
ハンドルを握る。
と、公園のベンチが視角に入った。
「ちょっと休憩していこかぁ」

生垣にロードバイクを立て掛け、ケージからボトルを取り出し、「はぁ…」。
ベンチに座る。
「ほとんど進んでへんけど、ゆっくりしよ」
ここまで、大した意味も無く休憩を繰り返してきたが、また休憩。
その愚かさに気付くまで、あと1時間と少し。

何も考えず、ただ何となく海岸を見詰め、無駄な時間を過ごす。
「はぁ…、おもんな…」
視線を西の方角に向けると、いくつかの工場。
「あの辺は、加古川か?高砂か?」

加古川も高砂も、今回の目的地である姫路も、俺が住む西宮と同じ兵庫県だ。
ただ、馴染みが薄い。
普段、買い物で神戸に出ることはある。
「ロードでちょっと遠出しよかぁ」と、神戸の隣、明石まで走った経験もある。
しかし、その先、高砂、加古川、姫路を走ったのは数えるほど。
土地勘が乏しい。

「あの辺は、加古川か?」
「いや、高砂やろ?」
気になる。
そして考える。
と、急に閃いた。
「はっ!」
「そんなもん、どうでもええわ」

ハンドルを握り、サドルに跨がる。
「さて…と」
脳内の不正確な地図に従い、進路は北へ。
ゆっくりとクランクを回しながら、俺は脳内で自分自身と確認作業に入った。
「このまま北に進んだら、山陽電鉄の線路が見える。次に在来線があって、新幹線やな。OK」
「いや、そうとも言い切れんで。うちの近所やと、在来線があって、その北側に新幹線…やけど、この辺りは事情が違うかも知れんやろ」
「言われてみたらそうやな」
「ただ、確かなんは、とにかく北に進むことや。どっかに新幹線の高架がある。その下を西へ走ったら、姫路に着くから」
「はい」

活気を微塵も感じさせない、小さな商店街を走り抜ける。
「シャッター、閉まってる店ばっかりやなぁ」
「昨日今日閉めたって感じじゃなくて、かなり前から閉まってる雰囲気やで」
「開いてる店もあるにはあるけど、客、入ってんのか?」
「まぁ、余計なお世話やな」
「そんなことよりも…」
「あぁ、そんなことよりも…」
「山陽が走ってるわ」

つづく

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