(884)Bianchi ARIAに乗って姫路へ~姫路名物えきそばの思い出~

姫路駅前。
トップチューブに跨がったまま、辺りを見回す。
「日曜の午前中やからか?歩いてる人、少ないよなぁ」
「播磨地方ではNo.1の都会やのになぁ」
「いや、播磨No.1は姫路じゃなくて明石かも」
「姫路やろ。常識で考えて」
「いやいや、明石の方が神戸に近い分、開けてるんちゃうか?」
「そうかぁ?」
一瞬、ネットで調べようとしたが、「どっちでもええわ」。
俺は、スマートフォンをジャージのポケットに入れ直した。

サイコンに目を向ける。
時刻は10時25分。
「このまま北へちょっと行ったら姫路城やなぁ」
今回の旅に出る前から、城の周りを軽く走りたいと思っていた。
「行こかぁ」

クランクを回しながら考える。
「今日のスケジュール、整理せなあかんなぁ」
姫路城を1周し、駅前に戻るのは正午過ぎか。
山陽姫路駅から電車に乗り、14時には会社に着くだろう。
会社では、取引先のYさんより急に依頼された作業の対応。
いくつかの資料に目を通した後、取り掛かる。
終わるのは17時頃か。
「あー、面倒くさっ!」

休みの日に仕事。
旅行を早めに切り上げて仕事。
本当に胸くそが悪い。
が、気分を切り替えよう。
せっかく、姫路まで来たのだから。

と、「何でこんなところに…?」
少し驚いた。
「えきそば」の店舗があるではないか。
えきそばとは、姫路のご当地グルメ。
和風だしに中華麺という、一風変わったそばだ。
俺の認識では、「姫路駅のホームにある立ち食いそば屋で食べられるもの」だが、まさか大通り沿いにも店があるとは、意表を突かれたね。

クランクを回しながら、ふと思い出した。
俺が社会人になって初めて仕えた上司が、えきそばのことを不味いだ何だとボロクソに言っていたことを。
まぁ、40を過ぎた今でも、俺には好き嫌いがある。
ただ、小学校で「好き嫌いはダメですよ」、「作ってくれた人に感謝して食べましょう」という教育を受けたため、建前として不味いだクソだとは言わない(言う時もあるかも知れない)。
が、社会人1年生の俺にとって、「ええ大人」の上司が食べ物をボロクソに言ってる光景はかなり斬新で、「そこまで不味いんやったら、食ってみたいな」。
逆に好奇心が芽生えた。

数年後、俺はえきそばを初めて食べる。
感想としては、当たり前だが、1杯2千円近い天ぷらそばに比べると味は落ちる。
ただ、「安い」「早い」「腹が膨れる」という、駅そばの条件は十分に満たしているし、旅先の駅のホームで食べたからだろう。
雰囲気が加点され、「変わったそばやけど、これはこれでアリやな」と思った。
あと、「あの上司は、随分と味にうるさい人やってんなぁ」とも。

信号待ちの間、考える。
「帰りに、駅のホームでえきそば食おかぁ」
「立ち食いそば食うぐらいの時間はあるしなぁ」
「あ、やっぱりあかんわ。同じ姫路駅でも、JRのホームにはえきそばあるけど、山陽のホームには無いんちゃうか?」
「どうなんやろ?」
一瞬、ネットで調べようとしたが、「どっちでもええわ」。
俺は、スマートフォンをジャージのポケットに入れ直した。

つづく

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