(906)何となく尼っ子リンリンロードを走る~明日、俺は何と向き合う?~

何の出会いも無く「であい橋」を渡った後、引き続き、運河沿いを走る。
「そっれにしても、誰もおらんよなぁ」
GWに入ったというのに、人を見掛けない。
不思議な感覚。

と、前カゴに買い物袋を入れた、ママチャリに乗るお爺ちゃんの姿。
「10年ぶりに人を見た気がするよなぁ」
次に、おばちゃん(ママチャリ)。
その後に、おっちゃん(ママチャリ)。

「尼っ子リンリンロードは、ただの生活道路なんかな?」
「ロード乗り、おらんしなぁ」
冷静に考えてみると、「それはそうやろ~」という気がしなくもない。
道は狭いし、路面はガタガタ。
脚をガンガン回せる環境ではない。
こんなところを好んで走るロード乗りは、なかなかいないだろう(俺が変わっているだけで)。
ただ、工場を眺めながら運河沿いをのんびり進む、そんなポタリングには適している(かもね)。

特に喉が渇いたわけではない。
何となく、本当に何となくボトルに手を伸ばし、水を一口。
「あ、これって水道水やったよな?」
「ボトルに入れたんは、いつやったっけ?」
「先週?先々週?」
「いや、もっと前やった気もするな…」
急に、強い不安感を覚えた。

「まぁ、死ぬことはないよな」
自分にそう語り掛けながら、クランクを回す。
と、道の脇に設置されたベンチや木陰から人の気配が。
「何や?誰かおるなぁ」
作業着を着た兄ちゃんやおっちゃんが談笑していた。
おそらく、この辺りの工場で働く人たちが休憩しているのだろう。
「GW中やのに仕事ですか。お疲れ様です」
心の中で会釈する俺。

ただ、よく考えてみると、俺も次の日は仕事。
GW中にも関わらず仕事。
確か、とても大事な作業と向き合わなければならない。
そうだ。
そのために出勤するのだ…が、忘れた。
自分が従事する作業内容について、完璧に忘れた。

「忘れる程度の作業ってことは、どうでもええ作業なんちゃうか?」
「大事な作業なら、忘れへんやろ?」
「もう、休め」
「休んでまえ」
「明日、休んでまえ」
「明日はもう休みや。今晩は夜中まで酒飲んでやな、楽しく過ごせ」
もうひとりの俺が、耳元でささやく。
が、ダメだ。
「確かにそうやな。今日はとことん飲もか?」と、一瞬、悪い流れに飲み込まれたが、ダメだ。
ダメだ。
俺がど忘れしているだけで、とてつもなく大事な作業が待っているかも知れない。
「GW中でも、明日は仕事や」
自分を律する俺。
そして、自分を律する俺を愛する俺。

ちなみに、次の日、出社したところ、予定していた作業が判明。
「何じゃこれ?」。
特に優先順位が高いわけでもなく、わざわざGW中に対応する必要など無い作業。
パソコンを見詰め、指を動かしながら考える。
「普通に休んでてもよかったやんけ」
「ほんま、誰やねん?スケジュール表を作ったアホは?」
「まぁ、俺か」

つづく

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