(910)何となく尼っ子リンリンロードを走る~優先順位の高い用事①~

地下道を潜り抜け、43号線の向こう側に出ると、名も知らぬ公園。
まぁ、調べれば公園の名称は分かるが、いちいち調べる気も無いため、「公園」ということで話を進める。

トップチューブに腰を落とし、そして考える。
公園から少し東に向かうと、阪神の出屋敷駅。
出屋敷駅の近くには、三和商店街。
三和商店街といえば、俺の大好きな肉屋「かごもと」さんがある。
「ホルモン、200g買って帰ろかぁ」
「ホルモンを食べながら、酒をちびちび飲む」
「最高やなぁ」
サドルに股がり、俺は進路を東に取ろうとしたが、ちょっと待て。

「あかん」
「あかんわ」
「このまま、真っ直ぐ家に帰らなあかんわ」
俺には、優先順位の高い用事がある。
まぁ、優先順位が高い…と言いながらも忘れかけていたが、とにかく西へ向かおう。
家に帰ろう。

シャカシャカシャカ…。
シャカシャカシャカ…。
インナーローで脚を回す。
必死になって回す。
特に急いでいるわけでもないが、素面のうちに、優先順位の高い用事を処理したい。

優先順位の高い用事。
それは、コーナンに行き、ドライバーを買うこと。
「ドライバー?そんなもん、普通、家に置いてあるやろ?」
あなたはそう思ったかも知れないが、違う。
そこには、複雑な事情があるのだ。
まぁ、聞いてくれ。

話は数日前に戻る。
早目に仕事を終えた俺は、家でゴロゴロしていたところ、「そやそや、明るいうちに洗濯しとこかぁ」。
春物のジャージもTシャツも、片っ端から洗濯機に放り込み、スイッチON!

また布団に戻り、横たわる。
ゴーーゴーーゴーー。
ゴーーゴーーゴーー。
ベランダから聞こえる、洗濯機が回る音。
俺は、ぼんやりとネットニュースに目を通す。
すると、「何や?」。
ゴーーゴーーゴーー。
ガリガリガリガリ…ガリガリ…。
ゴーーゴーー。
ガリガリ…ガリガリ…。
「洗濯機から異音がしてるみたいやな」

ベランダに出て、洗濯機の前に立ち、そして蓋を開ける。
「何やこれは?」
洗濯物の上に、プラスチックの丸い板が浮いているではないか。
「スクリューみたいな形状してるなぁ」
「あぁ、モーターに連動してこれが回って、水流が生まれる…わけやな」
「なるほど」
ちなみに、ネットで調べたところ、「パルセーター」という部品らしい。

では、パルセーターを元の位置に嵌め込もう。
うん、万事解決…だが、ちょっと待て。
パルセーターの元の位置。
それは、洗濯機の底。
洗濯物の底にパルセーターを嵌めるには、水を抜き、洗濯中の服を取り出す必要がある。

「面倒くさいわぁ…」
「とりあえず、パルセーターの件は後回しにして、洗濯を終わらせてまおかぁ」
「いや、後回しに…って言ってもなぁ、今の状態やったら、水流0やで。パルセーターが外れてるんやから」
「どうしょ?洗濯、でけへんなぁ…」
考える。
考える。
そして、とても原始的な発想が浮かんだ。

「回らん洗濯機を回すには、これしか無いなぁ」
洗濯物の中に、水の中に右手を突っ込み、まさに手動で回す俺。
「右に2回…と」
「次は左に2回…と」
「また右に2回…と」
「左に2回…と」
「ええトレーニングになるわぁ」
「別になぁ、右手だけを鍛える気ぃなんか無いのになぁ」
「そやなぁ」
「あぁ、あと7分~8分、この作業を繰り返さなあかんのかぁ…」
「アホみたいやなぁ」
「ほんまに…」
「何か、疲れてきたわぁ…」

と、視界の隅に、マンションの前を歩く人が。
「うっわぁ。今、見られた」
「俺、アホと思われてるんやろなぁ…」
「確実に思われてるわなぁ」
「洗濯機に手を突っ込んで回してる奴。うん、どう見てもアホやなぁ」

つづく

しょうもないブログですが、↓を押して応援してね。

にほんブログ村 自転車ブログ ロードバイクへ
にほんブログ村

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする