(926)疲れ、そして悩む俺は、新西宮ヨットハーバーへと走った。-4

西宮浜を走る。
顔を左右に振ると、そこかしこに工場。
ある工場の脇には、ヘチマか何かを栽培しているような。
一瞬、「目の錯覚かな?」と思ったが、特に興味も無いため、前を向き直しクランクを回す俺。

南へ進み、海に出ればヨットハーバー。
かなりいい加減な地図が頭の中で展開し、それに従って走る。
が、頭の中の大部分を支配するのは、旧友人Aを含むLINEグループへの返信。
「何て返したらええんやろ…?」

さて、ここからが本題。
前回の続きとなる。
「誕生日、おめでとー」
「krmくん、誕生日おめでとー」
何の恨みも無いLINEグループの人たちに紛れ、「ほな、飲みに行こか」という旧友人A。

過去に何度も何度もあった。
「飲みに行こや」と俺を誘い、俺が競馬にもゴルフにもパチンコにも興味が無いと知っていながら、自分が大好きな競馬とゴルフとパチンコを語り続ける旧友人A。
「付き合いは長いけど、ええ加減、このアホの相手をするんは人生の無駄やな」
そう悟り、彼に誘われても適当な理由を付けて断るようにした。

が、今回は特殊なケースだ。
旧友人A単品で「飲みに行こ」なら、「無理」と返せば済むが、単品ではない。
グループに対して返さなければならない。
「返事の内容はどうしよ…?」
考える。

———-
○○ちゃん→あんがとー!
××くん→あんがとー!
△△くん→あんがとー!
□□さん→あんがとー!
A→無理。
———-

では、露骨すぎる。
難しい。
1通の中に…だ。
誕生日のお祝いに対する礼を込めつつも、旧友人Aへは「無理」と伝える…には、どうすればいいか?
何と返せばいいか?

信号待ちの間、喉の渇きなど感じないが、ボトルに手を伸ばし水を口に含む。
ごくっと飲み込み、「OK。俺は冷静になったはず」。
そう思い込むようにし、冷静になった(はず)の頭でもう一度考える。

繰り返すが、俺の誕生日を祝うLINEグループ内の人に嫌悪感は無い(1人を除き)。
俺が嫌悪感を抱くのは、「相手が何を思うか?」を一切考えず、自分の好きな競馬やゴルフ、パチンコについて語りまくる旧友人Aのみ。
まぁ、子供なら許せるが、40半ばで一方的に語りご満悦の彼は、俺にとって「こいつ、気持ち悪い…」だ。
正直、二度と関わりたくない。
ただ、付き合いは長いため(中学)、あまりハードな言葉を放つのは避けたい。
なるべくなら、傷付けない言葉で、彼に察してもらいたい(でも、無理。アホやから)。

旧友人Aをいなしつつも、グループ全体に感謝を伝える1通。
難しい。
再度、考える。

———-
○○ちゃん→あんがとー!
××くん→あんがとー!
△△くん→あんがとー!
□□さん→あんがとー!
A→嫌です。
———-

上記以外、思い浮かばない。
「う~ん」
喉の渇きなど覚えないが、ボトルの水を飲み込み、クランクを回す。
「これはどうやろ?」
「ええ加減、考えるん面倒臭くなってきたしなぁ」
信号の手前で脚を止め、俺はジャージのバックポケットからスマートフォンを取り出した。

———-
みんな、俺の誕生日を祝ってくれて有り難う。
本当に、気持ちだけで十分です。
「送信」
———-

送信ボタンを押し、大きな安堵感に包まれた。
「一仕事終えたなぁ」
またボトルの水を口に含み、ふと前に目をやると、「新西宮ヨットハーバー」。

つづく

今日も読んでくれて有り難うございます。
これからも大して面白い話などありませんが、読んでね。
押してね。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓

にほんブログ村 その他日記ブログ 40代男性日記へ
にほんブログ村

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする