(983)夏の休日

騒音に不快感を覚える。
「どこのボケや…?朝っぱらから洗濯機を回してるんは…?」
布団から上体を起こし、「音の出所、特定したる」と耳を澄ませたが、頭がぼーっとしているため、無理。
「くっそ…」
「誰か知らんやつのせいで、休日の朝が台無しやわ…」

洗濯機の音が耳障りで、寝るに寝れない。
となれば、起きるしかない。
「しゃあないなぁ」と、浴室へ向かう。
「平日よりも早く起きてもうたやんけ…」
「何やねん?何の嫌がらせやねん?」
水風呂に浸かり、愚痴りながら、この日のスケジュールを検討する。

休日の俺。
いつもなら、昼前に起き、布団の上でダラダラした後、サイクリングロードへ。
結果、クソ暑い時間帯に走ることになる。
しかし、この日は予定外の早起き。
朝の涼しい時間帯に走ることができる。
朝っぱらから洗濯機を回したボケに感謝したい。

風呂から上がり、ジャージに着替える…つもりが、「もうちょっとゆっくりしよか」。
裸のまま布団の上に転がり、YouTubeで「美味しんぼ」を鑑賞。
「なるほどなぁ」
「料理の世界は奥が深いわぁ」
気付けば、正午に。

ジャージに袖を通し、ロードバイクを担いでマンションの階段を降りる。
「はぁ…。今、何度やねん…?」
「走る前から汗だくになってまうわ」
また愚痴りつつ、シューズの底からクリートカバーを外していると、顔中に汗が噴き出した。

町中を通り抜け、橋のたもとのスロープを下り、川沿いのサイクリングロードへ。
「気合い入れて走ろかぁ」とクランクを回し始めたところで、2台のcerveloに抜かされた。
ロードバイクに乗り始めた頃の俺なら、「挑戦状を叩きつけられた」と判断し、必死になって追い掛けたと思うが、今は違う。
追わない。
そして、「敢えて追わなかった。追っていれば、余裕でぶち抜いていたけど、敢えてね」と、精神勝利を繰り返している。

脚を回せば回すほど、熱を含んだ風を受け、カスクの中もサウナのようだ。
「はぁ…」
10㎞も走っていないのに、嫌気が差す。
「さっさと帰ろ」
「帰ってから、何か食いに行こ」
「王将、吉野家、にしのみやラーメン、天下一品。どこに行こか?」
「他にもあるな」
様々な選択肢が浮かぶ。
ただ、暑さのせいだろう。
どうも、食欲が湧かない。
かと言って、何も食べない…となると、体に悪い気がする。
「こういう時は、蕎麦しかないな」
「ビール飲みながら、ざるを食おか」

「いらっしゃいませ」
カウンター席に座るなり、メニューには目もくれず、「ざるとビール。キリンで」。
店主にそう伝えようとしたが、「ちょっと待てよ」と。
何も焦る必要など無い。
ゆとりを持って、形だけでもメニューを確認しよう。
「天ざるかぁ。天ぷらは好きやけど、今日はいらんなぁ」
「そばつゆにとろろ…か。ヘルシーな感じ。いいねぇ」
「んで、これはそばつゆに鶏肉。おー、いいねぇ」
メニューを閉じ、店主に伝える。
「『鶏汁ざる』とビール。キリンで」

暑さのせいで食欲が無くても、蕎麦はすっと入ってくる。
喉越しを楽しみ、また蕎麦をすすって「たまらんなぁ」。
蕎麦つゆに浸かった鶏肉も味が濃くて美味い。
「あぁ、焼鳥、食いたなってきたなぁ」

「ごちそうさまでした」
勘定を済ませ、笑顔で店を出る。
鶏肉のおかげで食欲が湧いてきた。
ここはひとつ、焼鳥屋に寄って帰りたい。
ただ、アホほど食ってアホほど飲む自分の姿…が頭に浮かぶ。
「やめとこ」
「暴飲暴食は体に良くないし、金の無駄や」

家に帰り、布団の上でゴロゴロしながら思う。
「焼鳥食いたかったのに、自制した自分…、大好き…」

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