(1012)ロードバイクに乗って、徳島のデビルマンを見に行こう!-7

フェンスにロードバイクを立て掛け、俺はしゃがんだ。
「あかんわ…。眠たすぎるわ…」
「どうしたらええんやろ?」
目的地の徳島駅周辺まで、まだ10㎞ほどあるが、真っ直ぐ走る自信が無い。
ハンドルがふらついて車にはねられる。
そんなイメージしか湧かない。

対策としては、徹底的に寝ること。
5分やそこら、しゃがんで目を閉じるのではなく、徹底的に寝ること。
ただ、辺りにはそれなりに家や店が建ち並び、車がびゅんびゅんと走っている。
都会ではないが町中だ。
「こんなとこで横になって寝て、警察呼ばれたら嫌やしなぁ…」
ならば、逆に…だ。
完璧に目を覚ませばよい。
「久々に飲もかぁ。『眠眠打破』を」

ふらふらと、ゆっくりと徳島市へ進みながら、コンビニを探す。
「お、あったわ」
店の前、バリカーにロードを立て、そして入店。
「健康ドリンクの売場はどこやろ?」
少しうろうろした後、眠眠打破を手に取ったが、「やっぱりやめとこか…」。
結局、トイレの洗面台で顔を洗い、俺はコンビニを出た。

何も、眠眠打破を買う金が無い…というわけではない。
財布には、1万円ほど入っている。
なら、どうして俺は買わなかったのか。
眠眠打破を買わなかったのか。
今、この記事を読むあなたは、「どうして!?」とスマートフォンなりパソコンに向かって叫んでいるだろう。

「どうして!?」
「どうして、眠眠打破を買わなかったの!?」
よく聞いてくれた。
仕方が無い。
答えよう。

かつて、仕事が多忙で苦しんでいた俺は、毎朝のように眠眠打破を飲んでいた(たまにメガシャキも)。
終電に乗り、駅から家まで「は~ぁ」。
何度も深い溜め息をつく。
布団の中で次の日の予定を考えていると、やがて外が明るくなり、バタバタして家を出て、駅まで歩きながら「は~ぁ」。
深い溜め息をつく。
電車を降りて、「は~ぁ」。
また溜め息をついて、会社の近くにあるコンビニで眠眠打破を買う(たまにメガシャキも)。

ボロボロになって仕事と向き合い、ドロドロになって残業。
「は~ぁ」
終電に乗るため、駅へと向かう時、よく思った。
「こんな毎日がずっと続くんか…」

周りの友人は、大卒初任給+αぐらいの収入でも、何となく楽しそうに生きている。
仕事帰りに買い物をして、飲みに行って、休みの日は草野球やらゴルフやら。
片や、俺は毎日遅くまで仕事。
現場の状況で休日出勤当たり前。
休みの予定など入れられない。
友人たちに比べて、収入は圧倒的に多かったが、「俺が一番惨めやなぁ」と思った。

まぁ、友人と比較しなくても、俺は普通に苦しい状況だったと思う。
とにかく、時間が無い。
仕事以外の時間が無い。
当時、生活していて一番ショックだったのが、「洗濯する時間が無い」ということ。
12時半頃(夜のね)家に帰って来て、洗濯機を回すのに度胸がいる。
近所の人にとって迷惑だ。
かと言って、クリーニング屋が開いている時間、俺は会社にいるわけで、「たかが洗濯ぐらいでけへんのか?俺は人並みの生活を送られへんのか…?」。
絶望した。

眠眠打破の味。
適当な表現だが、コーヒーの原液のような苦さに、取って付けたような甘さ。
それを味わうと、洗濯ができない日々を思い出しそうで、俺は怖いのだ。

つづく

いつも読んでくれて有り難うございます。
ロード乗りにとって役に立つ情報は一切ありませんが、また読んでくれたらな…と思います。
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