(1013)ロードバイクに乗って、徳島のデビルマンを見に行こう!-8

おそらく、徳島の市街地まで、さほど遠くはない。
おそらく、しばらく進めば2つか3つの橋があり、それを渡ればたどり着く。
すぐに。

睡魔と闘いながらクランクを回していると、背中に振動。
「まさか、取引先からの電話か…?」
心臓が握り潰されそうな気持ちになり、俺は歩道に上がった。

ジャージのバックポケットからスマートフォンを取り出し、確認する。
「よかったわぁ。取引先ちゃうわぁ。それにしても人騒がせな電話やなぁ」
電話の主は、以前、同じ職場で共に苦しみ、共に楽しんだW(40代 男性)だった。

「おぅ、krm。久し振りやな」
「ほんまやなぁ。で、何や?」
「おぅ、お前なぁ。お前、平日休めるんやろ?もし、今日が休みで、暇やったらなぁと思ってな」
「うん、今日は休みやわぁ。今、鳴門から徳島に向けて走ってる。自転車でな」
「そうか。俺もな、今日休みやから、『飲みに行けへんか?』って誘おう思ってな」
「そうか。でもなぁ、鳴門から帰って神戸に出るんは、夕方ぐらいになる思うわぁ。それに、俺、疲れてんねん。眠いねん。あかんわ」
「そっか、仕方が無いな。分かったわ。また誘うわ」
「はいよ」
「でな、俺な、最近、仕事でな…」

Wは、担当しているプロジェクトから始まり、世の中や人生について語り始めた。
誰も聞いていないことを。
5分ほどして、もううんざり。
「ちょっとな、同行者との待ち合わせの時間があってなぁ、急いでんねん」
容赦無く電話を切る俺。

車道に出てクランクを回す。
くだらない電話でも、おかげ様で目が覚めたような。
「おぉ、眠眠打破よりも、アホの話の方が効果的なんちゃうか?」
「あっ」
1つ目の橋が見えた。

クランクを回しながら考える。
誰にも聞かれていないのに語り出す、くだらない者の精神構造を考える。
「恥ずかしいと思えへんのやろか?」

クランクを回しながら、深く考える。
人生において、自意識が肥大化した者を何人も見た。
30を過ぎてからだろうか。
男は「大物気取りの低所得者」、女は「女子をこじらせたオバハン」に変化するケースがある。
勝ち負けで言うと、負けてる奴ほど。

「あぁ、こうはなりたくないよなぁ」
しょぼい自分を大きく見せる、愚かで惨めで恥ずかしい生き物にはなりたくない。
見てて痛々しいし、捌くのが面倒な奴は、周りにとって迷惑だ。

なら、俺はどうだろう?
自分に矢印を向ける。
おそらく、俺は人前で語っていないはず。
誰にも聞かれていないのに、「人間というものはなぁ…」、「世の中はなぁ」、「仕事とは」、「男とは」、「人生とは…」。
語っていないはず。
最低限の羞恥心を持ち合わせているつもりだ。

それに、このブログに好きなことを書いているからだろう。
何も、酒の席で人様にマウントを取って語りたい…という欲求が無い。
誰にも聞かれていないのに、身の丈に合わないことを語りたいとは思わない。
まぁ、ロード乗りには役に立たない不人気ブログでも、俺にとっては役に立っているようだ。

つづく

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