(1042)ロードバイクに乗って泉州を走る、墓参りライド~A子と喫茶店に~

「そろそろ決めなあかんなぁ」と思いながら、淀川大橋を渡り始める。
この先を進めば、大阪市の中央市街地となり、快適に走ることは難しい。
小刻みに設置された信号。
確実に殺意を抱く。
ならば、なるべく不快にならないルートを考えたい。
が、「考えるん、面倒くさいわぁ」という気もしなくはない。
「うん、面倒くさいわ」
「このまま進んで、福島まで行こう。で、なにわ筋を走って桜川、難波の辺りに出よか」

顔を上げてクランクを回していると、道路を囲むビルが徐々に高くなった。
「あぁ、福島の駅が近付いてるなぁ」と思う。
そして、「もうちょっと向こうのビルやったんちゃうかなぁ。何階やったっけ?A子と入った喫茶店」。

A子との出会いは、15年ほど前。
仕事関係の知り合いからコンパに誘われ、「任せて下さい」と参加した。
確か、男5人に女5人。
ほとんどの人が30代で、随分と庶民的な店の座敷で乾杯した。

隣に座ったのが、A子。
何故か安っぽく見える黒のスーツ。
ヴィトンのバッグ。
正直、顔もスタイルも好みではなく、また、「明るい」を通り越した「煩い」「鬱陶しい」キャラに、「こいつ、何や…?」。
2時間ほど絡まれ、最後にみんなでLINE交換(後で後悔する)。
お開き。

翌日、仕事中にLINEが入った。
A子からだ。
「昨日はありがとー。楽しかった!近いうちに、お茶しよ?」
本音としては、「普通に嫌です」と返したかったが、一応、俺は大人。
「今、仕事がめちゃめちゃ忙しくて、時間が無くて」
これで終わると思った。

が、しつこい。
「いつやったら時間あるの?」
「来週は?」
「来週の水曜日の15時はどう?」
「水曜日があかんかったら、金曜日の14時は?」
「再来週やったら、火曜日はどう?15時」
「16時は?」
こちらはやんわり断っているつもりでも、A子は引き下がらない。

執念深いA子に対し、嫌悪感を覚える。
気持ち悪い。
俺からすると、空気を読んでほしい。
返信の内容から雰囲気を察してほしい。
しかし、彼女には無理っぽい。

「面倒くさ…」
悩んでいると、「あ、こいつ、変な宗教の勧誘しようとしてるんちゃうか?」
一瞬、そんな気がした。
ただ、人を疑う自分自身にも嫌悪感を覚える。
「うん、会おか。時間、作るわ」
償いの意味を込めて、A子に返信。

阪神の福島駅で待ち合わせ。
相変わらず、安っぽい黒のスーツにヴィトンのバッグ。
「なぁ、お茶しよ!こっち、こっち!」
A子に誘導され、おすすめの喫茶店に入る。
そして、すぐに分かった。
彼女は、マルチの勧誘だった。

つづく

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