(1051)ロードバイクに乗って泉州を走る、墓参りライド~悲惨な現実から逃れる方法~

岸和田を走る。
予約したホテルがある泉佐野まで、残りあと7㎞ほどか。
「OK。30分後には、風呂入って着替えてラーメン屋に行って…」
一瞬、30分後の自分が頭に浮かんだ。
が、同時に思う。
「無理やろなぁ…」
「30分なんて、絶対無理やわぁ…」
溜め息。

交通量が増え、相変わらず信号連発。
信号と信号の間隔が短すぎるため、「またかよ…」。
赤信号に捕まる。
嫌がらせのように、小刻みに。
「あぁ…」
走っている時間よりも、信号待ちの方が長いような。

「ほんまに進んでんのか?」
うんざりしながらクランクを回していると、左手に岸和田城の天守が見えた。
「一応は、ちょっとずつでも進んでるみたいやな」
胸を撫で下ろす俺。

と、前方にミニベロ乗りの男性。
歩道から車道に出て、俺の前を走り始めた。
ゆっくり、ゆっくりと。
「う~ん」
彼の背中に目を向け、そして不安を抱く。
信号地獄のせいで、ただでさえ進まずうんざりしているのだ。
その上、のんびり走るミニベロ乗りが蓋になり、更に進まない…のは避けたい。

「気合い入れて走ってくれよ」
ミニベロ乗りに語り掛ける(脳内で)。
「本気で頼むから」
もう一度、語り掛ける(脳内で)。
しかし、彼には届かないようで、「う~ん」。
ただマイペースに脚を回しているようにしか見えない。
ゆっくり、ゆっくりと。

「もうええわ。抜いてまお」
そう思いながら振り返ると、「あぁ…」。
交通量が多い。
道が狭い割に交通量が多い。
抜くスペースが無い。
抜きたくても抜けない。

まぁ、いい。
よく考えてみると、ちょっとやそっと速く走ったところで、どうせ赤信号、赤信号、赤信号…だ。
そうだ。
もういい。
ミニベロのペースに合わせて、俺もゆっくり走ろう。
焦らずに、大らかな気持ちで。

いや、無理だ。
そう簡単に割り切れない。
イライラ、ムカムカを抑えられない。
となると…だ。
こういう時は、無心になることが一番。
何も感じない、何も考えない。
頭の中を真っ白にして、ただただ脚を回すのみだ。
が、少し難しい。
意識して無心になるのは難しい。

まぁ、いい。
悲惨な現実から逃れる方法は、無心以外にもある。
それは、「どうでもいいことを考えること」。
テーマは既にある。
大した話ではないが、近所の自販機について徹底的に考えたい。

うちの近所には、2台の自販機がある。
どちらも品揃えは同じ。
100円のお茶やジュースやコーヒー。
さて、先日、家から近い方の自販機に100円玉を投入し、お茶のボタンを押したところ、「あら?」。
反応無し。
何となく、ボタンの上に貼られた値札を確認。
「10円、値上がりしてるやんけ!」
不愉快だ。
というわけで、30秒ほど歩き、2台目の自販機へ。
「おぉ、こっちは100円のままや」
購入。
お得な買い物。

まぁ、いい。
お得な買い物ができたのはいい。
ただ、今後、家から近い自販機を利用せず、10円のためにいちいち30秒も歩き、もうひとつの自販機へ…でいいのか?
本当にいいのか?
とことん考えよう。
「10円と30秒、どちらに価値があるか?」の答えを出そう。

「うん、これは暇潰しになるな」
そう思いながら、ふと前に目を向けると、「あれ?」。
いつの間にか、ミニベロは消えていた。

つづく

いつも読んでくれて有り難うございます。
これからも読んでもらえると嬉しいです。
ついでに押してね。
↓↓↓↓↓

にほんブログ村 自転車ブログ ロードバイクへ
にほんブログ村

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする