(30)暑さと苦しみの思い出がいっぱい。ロードバイクで岡山旅行。-4

照り付ける日差し、ギラギラ輝く水面、すべてが嫌がらせのように感じられる。
顔から流れ出る汗がとまらない。
顎からポトリポトリとこぼれ、フレームのトップチューブにあたってはじける。

岡山駅の近くにあるホテルまで、あと30㎞ちょっと。
ロードバイクでどれだけゆっくり走っても、2時間はかからない距離だ。
だが、この日の俺は3時間を要した。
暑さによる苦しみが限界に近くなり、コンビニを見つけたら休憩を繰り返し、時間をロスしたからだ。

コンビニのトイレで顔を洗い、水を2本買う。
うち1本の水をボトルに入れ、遠くを見つめながらもう1本を飲む。
気を取り直し、岡山駅に向かって走るが、コンビニを見つければ、また休憩。
ちっとも進まない。
「仕事でもなんでもないことに、何故こんな苦痛を味わわないといけないのか?」と真剣に考えた。
そして、「誰にも頼まれていないのに、お前の判断でお前の勝手で走ってるんやろ?」と自分に指摘され、仕方なく足を動かす。

山陽道を走っていると、いかにも日本一周してるような出で立ちの自転車乗りに抜かされる。
高速で走るロード乗りたちに抜かされる。
ふとサイコンに目をやると、衝撃の数字「時速6㎞」が表示されているではないか。
こんなロード乗り、前代未聞だ。

低速でだらだらと走り続け、やっと市街地が見えてきた。
岡山駅近くのホテルまであと一歩。
家から休憩込みで10時間もあれば着く予定だったが、休憩が込みまくったせいで、出発から既に12時間経過していた。
予約した際に指定したチェックインの時間は、既に過ぎている。
「早めに岡山に着いて、チェックインまでの空いた時間、周辺を軽くポタリング(自転車散歩)しよう」。
数時間前まで、そんなナメたことを考えていた自分が情けない。

ホテルに着いた。
玄関の横にロードバイクを立て、前輪を外す。
説明書を読みながら、輪行袋を広げ、そこにロードバイクを収納しようとしたが、思うようにいかない。
もう、暑さのせいで冷静に考えることが面倒になってきた。
車体を紐で適当にくくり、適当に収納する。
脇に抱えるような無茶苦茶な形で輪行袋を持ち、ホテルの受付へ。

簡単にチェックインをすませ、やっとベッドで横になる。
ほっとすると同時に、「また明日もこの道のりを走るのか…」と思い、正直、気が滅入った。
クソ暑い中、長距離を走り続けることが、こんなに苦しいとは想定していなかった。
また、反省点として、輪行袋の件がある。
一度でも、家でロードをばらして輪行袋に収納する経験を積んでおくべきだった。
ベッドの横に置いた輪行袋を見て、つくづくそう思った。

※この記事は、2019年1月31日、俺が別のブログに投稿した文章を、加筆、修正したもの

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