(34)暑さと苦しみの思い出がいっぱい。ロードバイクで岡山旅行。-8

辺りが闇に包まれた。
播磨灘の海沿いを走り、おそらく加古川市の南部、工業地帯に俺はいた。
楽しくサイクリングする時間は終わった。
この旅において、何度目かの困難が立ちはだかる。
俺は、世の中をなめていて、よほど計画性が無いのか、日頃の行いがよほど悪いのか。
スマートフォンのバッテリーが切れ、地図が見れない。
現在地もわからない。
お盆休みだからか、周辺の工場には電気がついていない。
少し遠くに製紙会社の建物が見えるようだが、それがわかったところで意味が無い。
外灯も少なく、薄暗い中、俺は呆然とたちつくすしかなかった。

どうしよう。
どうして家に帰ればよいのか。
知らない土地で、やみくもに走っても体力を消耗するだけだ。
とにかく落ち着いて、打開策を考えることにした。
特に何もなかった。

ただ、詳細な現在地はわからないが、加古川市の南側ということはぼんやりだが把握している。
ここから北に向かって走ると、何時間かかるかわからないが、きっと250号線に出るはず。
家までの距離が遠退くかも知れないが、まず250号線に出よう。
そこまで行けば、迷うことなく帰れる。

仕方がないので、下策を繰り出すことにした。
北に数十分走ると、250号線に出ることができた。
ここで、本日10回目ぐらいのコンビニ休憩。
昨日も今日も、人生で二度とないぐらいコンビニで買い物をしている。
南アルプスの天然水スパークリングを3本は買った。
冷凍のお茶もよく買った。
暑い中走り、信号待ちをしている時に、首の後ろにあてると、生き返った心地になるのだ。
これらは、人様に自慢できることではないが、俺なりに、今回の旅で学習した成果である。

東に向かって進むと、見慣れた景色。
やっと明石駅前に辿り着いた。
ここから家まで約40㎞もあるのに、明石には何度も来ているからか、家の近所にいる感覚に陥る。

神戸市を経て、深夜0時をまわった頃、芦屋市に入った。
太ももが痛い。
クランクを回す度に、サドルと太ももが擦れ、ダメージをくらいながら少しづつ進む。
中学の時、俺は肥満体だった。
歩く度に太ももが擦れ、学生ズボンの股間に穴を開けた。
そんな、本当にろくでもない思い出がよみがえった。

少しずつ家に近づく。
が、ここで、まっすぐ帰らず、知人Nさんの経営する焼鳥屋に向かった。
岡山を早朝に出発し、西宮市には夕方着く予定だったので、あらかじめ予約しておいたのだ。
既に焼鳥屋の営業時間は終わっていたが、それでも俺は急いだ。

※この記事は、2019年2月3日、俺が別のブログに投稿した文章を、加筆、修正したものです。

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