(5)クロスバイクを買った店と店主と。

クロスバイクを買う際、少々苦労した。
名前くらい聞いたことがある程度の知識だが、スポーツ自転車には、マウンテンバイクやロードバイクなどいろいろ種類があることぐらいは知っていた。
ただ、それらの具体的な性能、用途がわからなかったので、どの種類のスポーツ自転車が自分のニーズにあうのか判断できない。
自分のニーズとしては、今まで(ママチャリに乗っていた時代)より快適に走り、小旅行にも利用できるタイプ。
5~6万円におさまる値段で。

さっそくネットで調べてみた。
基本、俺は舗装した道のみ走ることを前提に考えていたので、未舗装の道に適したマウンテンバイクは却下。
せっかく買っても、性能が発揮されないともったいない。
ロード、見た目も格好よく、いかにも遠くまで速く走れそうだが、値段的に高いので却下。
今では安くなったが、当時、アルミフレーム、SHIMANOのTiagraというコンポーネントで構成された入門用のものでも15万円近くした。
「入門用でこの値段?ふざけるな、アホンダラー!」。
次にクロスバイク。
値段的にはいける。
ロードの平均価格を知った後なので、良心的にさえ感じる。
ロードほどスポーツに特化したものではないが、ママチャリに慣れていた俺には十分すぎる性能だろう。
決めた。

次に、クロスバイクを扱っているお店が近くにあるか?
普段、パンク修理で利用するような町の小さな自転車屋でも売っているのか?
ネットで調べたところ、よく飲みに行く通りの裏に1軒あった。
店のホームページには、親切にも在庫表が記載されている。
その中に2つのメーカーのクロスバイクがあり、どちらを買うか検討する。

メーカー名「GIANT」。
自転車大国である台湾のメーカー。
比較的安く、性能の良い自転車を製造しているようだ。
初心者にはもってこいのクロスバイクがあるが、阪神ファンの俺には抵抗を感じる。
「TIGER」なら即決なのに。

「BRIDGESTONE」。
タイヤのイメージしかなかったが、自転車も製造してるらしい。
迷ったら日本メーカーの製品でいいだろう。
ということで、BRIDGESTONEのordinaというクロスバイクを買いにお店へ向かった。

人柄の良さそうな店主にordinaを買う旨伝えると、「こういうタイプの自転車を買うのは初めて?」と聞かれ、「はい」と答える。
それまでまったく想定していなかったのだが、スポーツタイプの自転車は、パンクした時、自分で対処しないといけないそうだ。
前輪、後輪の外し方、はめ方。
タイヤの片側をホイールから外して、チューブを交換する方法。
貴重なことを教えてもらえた。

お金を払ってすぐに乗って帰るつもりが、店主と話し込んだせいで、入店から1時間近く経過していた。
「最後に何か質問ある?」。
「自転車に乗ってる時に、WALKMANとかで音楽聴きながら走ってもいいんですかね?」。
法律上の問題、また、マナーの問題として、俺は確認をとりたかったので、聞いてみたのだ。
「あかんで!」。
少し興奮気味に答える店主。
そして、間髪入れずに、「自転車に乗る時はな、空気や風の音、後ろから走ってくる車の音、路面からの振動を五感で感じながら走るもんやで!」。
「ビシー!!」という効果音が(俺の脳内で)鳴り響き、店主の顔が止め絵に見えた。

※この記事は、2019年1月18日、俺が別のブログに投稿した文章を、加筆、修正したものです。

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