(457)ウエムラサイクルパーツに行った後、自分のアホさ加減にうんざりした。

しまなみ海道、とびしま海道を走り終え、「ちょっとした土産話をチームメイトに持って帰って来たわ」と思い、それを披露する機会を待ち望んでいた。
が、彼らとは会う機会も無く、連絡も無い日々が過ぎて行った。
まぁ、俺も含めて気紛れな人達なので、ええけど。

帰ってしばらくの間、気が抜けたのだろうか。
「暇な時間はロードバイクに乗る」という日課よりも、飲み歩くことを優先した。
そして、きっちり太る。
体重計に乗るとダイレクトに現実を突き付けられてしまい、「これはあかんわ」と。
「やばいな」と。
「そろそろトレーニングしよか(レースに出る予定など無いが)」。
徐々にそんな気分になった。
が、梅雨に入り連日の雨。

参った。
「天気はなぁ、どうしょうもないよな。ま、それなら今できることをしよか」。
散らかった部屋の隅でチェーンやフレームの清掃をする。
運良く晴れた日で、且つ暇な時間がある日が訪れれば、俺はクランクを回す。
その日の為に準備するのだ。

しかし、「フレームとかチェーンを洗浄してもあかんわ。走られへんわ」。
俺はうっかりしていた。
とびしま海道からの帰り、広駅(広島県呉市)で電車に乗った。
その際、電車の揺れで輪行バッグが倒れ、打ち所が悪かったのかタイヤに穴が…。
「まず、タイヤ買わなあかんわ」。

つり革にぶら下がり、尼崎らしい下町の景色を眺めながら考える。
「やっぱりここは…」。
「Continentalやな」。
ここ数年、クリンチャータイヤにおいてはContinentalを選択している。
その耐久性に大いなる信頼を寄せているからだ。
Grand Prix 4000S ⅡもAttack&Force文句無し。
それに、Continentalが新しい顔をリリースしたというニュースをネットで見た気がする。
「仕様はよく知らんが、決定やな」。

「コロナのせいなんやろなぁ」。
人の少なさを感じながら、お初天神通り商店街をとぼとぼ歩き、適当な角を左に曲がって新御堂。
お馴染み、ウエムラサイクルパーツに着いた。

入店すると真っ先に店の奥、タイヤ売場へ。
クリンチャーのContinentalコーナーを物色したところ、「これか」と。
Grand Prix 5000を手にレジに向かう。
が、「ちょっと待て」と。
「よく考えろ」と。
しまなみ海道、とびしま海道を旅し、破損したのはタイヤだけではない。
「他に何あったよな…」。
立ち止まって思い出そうと努力したが、ダメだ。
完璧に失念。
「俺、ほんまにアホやな」と自分自身に嘆いた。
しかし、同時にひとつアイデアが浮かぶ。
「店内は自転車のパーツがところ狭しと並んでいるのだ」。
「全ての売場をチェックしながら回れば、思い出すかも知れない」。
我ながらナイスアイデアだ。
「俺って頭いいよな。明らかに」。

店内をうろつき、サイコン売場で思い出した。
「そうそう、サイコンが原因不明の故障をしたんやわ」。
マグネットの位置を調整したし、電池にも問題無いはず。
なのに、何故か速度を表示しない謎のサイコン。
「もうええわ」となり、買い替える気ではいたが、売場に立つと悩む。
「どれを買おうか」と。

売場に5分も立ち尽くしていると不審者と思われそうだ。
「さっさと決めよう」。
「俺の中では、サイコンの相場は5,000円台やけど、1万未満やったらええわ」。
「とりあえず、ケイデンスの計測ができるやつにしよう」。
「お、これ、画面でかくてええな」。

ContinentalのGrand Prix 5000とCATEYEのPADRONE DIGITALを手にレジへ進む。
「他に無いよな?」。
「他に買い忘れてるもん、無いよな?」。
何度も自分に確認を取って。

買い物を終えた後も連日の雨。
ちまちまとタイヤ、サイコンの交換をしたが、走る機会はなかなか訪れなかった。
が、ひょんなことからビワイチに挑戦することになる。
「メンテナンスは完璧や。いつでも走れるで」。
余裕をかまして出発の日を楽しみに待った。

そして、出発前日になって気付いた。
「ライトのマウントが壊れてたん忘れてた…」。
俺はCATEYEのVolt400を愛用しているのだが、マウントが破損しているためハンドルに固定されない。
「参ったなぁ。ビワイチのルートにはトンネルがあるのに…」。
「う~ん、アロンアルフアで固定しよか」。
「いや、さすがにそれはあかん。脱着でけへんようになる」。
「じゃあ、ガムテープで巻いて固定しよか」。
悩んだところで原始的なアイデアしか浮かばない。
「しゃあない。マウント部分だけ買いに行こ…」。

「600円そこらの買い物のために、時間をかけて500円以上払って電車に乗って買い物しに行かなあかんのか…」。
梅田行きの電車の中で、俺はため息をついた。
「あぁ、俺、ほんまアホやな」。

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