(21)ビンディングは欲しいが、ペンギン歩きはしたくない。-3

ビンディングシューズを履き、ビンディングペダルを踏んで、初のサイクリング。
試しのつもりで、近所を20分ほど走ることにした。

家を出て、まずは歩道をゆっくり走ったのだが、たまたま歩行者が多い時間帯で、なかなか前に進まない。
3人ほど横に並んで歩いている人をゆっくり追い越せば、俺の進路に蓋をするように2人並んで歩いている。
その人たちを追い越せば、こちらに向かって前から人が歩いてくる。
徐行と停止を繰り返してなんとか進んだが、前を歩く人が急に進路を変えて俺の目の前に。
とっさにブレーキをかけたのはいいが、足首をねじってペダルを外すタイミングが遅れた。
両足がペダルの上にあり、サドルに跨った状態で、体が右に流れる。
「このままでは、こける」と思ったが、右横にあるジュースの自販機に、両手で抱くようにしがみつき、事無きを得た。
とりあえずほっとしたが、このみっともない絵を通行人に見られた精神的ダメージはとてつもない。

この後もこける、または、こけそうになる経験を重ねた。
自販機ではなく電柱にしがみついたり、それすらできなくてこけたり。
何度もピンチに陥っている中、俺なりに原因と対策を考えた。

原因としては、現状、ママチャリに乗っている感覚、ノーマルペダルの自転車に乗っている感覚で停止していることが挙げられる。
では、対策として、「俺はビンディングペダルのロードバイクに乗っているんだ」と意識すればよい。
停止する数メートル前で、意識して左足をペダルから外す。
急停止する可能性がある場合は、あらかじめ左足をペダルから外しておく。
これを習慣づけたことで、こける不安は、案外簡単に克服した。

ビンディングに慣れてしまうと、ノーマルペダルに戻ることができなくなった。
ビンディング以外で自転車に乗るなんて、ありえない。
最初は、「足がペダルに固定されていて怖い」と感じたが、「足がペダルに固定されているからこそ安定感があっていい」。
そんな感覚になる。
登りや平坦な道でスピードを出して走る時、どれだけもがいても足が固定されているのは、本当に大きなメリットだ。
安心してもがけるようになった。

ただ、1点だけ不満がある。
音だ。
SPD-SLではなくSPDだからなのか?
調整の問題なのか?
足をひねってペダルから外す時、上品な「パチン」という音を聴きたかったのだが、「バキン」という金属音が鳴る。
期待していた音ではない。
俺はこういうディテールにこだわる男だ。

※この記事は、2019年1月26日、俺が別のブログに投稿した文章を、加筆、修正したものです。

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