(229)Racing Zero Niteを届けてくれた佐川急便の兄ちゃん。-3

「Racing Zero Niteの注文を受け付けました」と、ウエムラサイクルパーツから返事をもらい、paypalで決済する。
が、Wi-Fiの具合が悪いのか、カード情報を入力したにも関わらず、認証中の画面がなかなか終わらない。
次のページに進んでも、「ほんまに大丈夫か?」と不安になり、ウエムラサイクルパーツにメールをして、確認することにした。
「paypalで手続きをしたのですが、処理が遅く、ちゃんと決済できているでしょうか?」。
返事を待つ俺は、やきもきして、送信したメールを読み返す。
「うおぉ…」。
唸ってしまった。
メールの1行目に、「ウエムラパーツサイクル様」とある。
「ウエムラサイクルパーツ様」なのに…。
相手先の名前を間違えるなんて、失礼極まりない。
が、「ちゃんと決済できてましたよ~」と返事をもらい、ほっとする。

仕事をしながら、今か今かとRacing Zero Niteを待つ。
ちなみに、届け先を事務所に指定した。
平日、家にはほとんどいないので、事務所に送ってもらえると都合が良い。
後になって、持って帰るのに少々苦労したが。

事務所のドアがノックされ、「佐川急便で~す」と、スラッとした兄ちゃんが入ってきた。
「お荷物を届けに参りました~」。
「どうもどうも、ありがとうございます」。
「伝票に、印鑑かサインをお願いします」。
「はいよ~」。
サインをしていると、「自転車、好きなんですか?」と聞かれる。
最初、「なんで分かったんやろ?品名に『ロードバイクのホイール』と書いていたのかな?」と思った。
が、おそらく、段ボールに「FULCRUM」のロゴが入っていたので、兄ちゃんはそれを見て、話をふってきたのだろう。
「え、ということは、この兄ちゃんはFULCRUMを知っている。まさか、ロード乗り?」。
そう思うと、少し嬉しくなり、話したくなった。

「はい、自転車好きです。ロードバイクに乗っています」。
「どこのロードに乗っているんですか?」。
「Bianchiです」。
「あ、ビルの前にBianchiの自転車が止められてましたけど、あれに乗っているんですか?」。
「いえいえ。あれは多分、このビルに入ってるお店のお客さんの自転車やと思います」。
続けて、「自分は、外にロードを止めるなんて、怖くてできないです。それはそうと、お兄さんもロード乗りなんですか?」。
俺は、ロードの話ができる友人が少ない。
だからこそ、「この機会に語り合いたい」という欲望が溢れ出てしまう。

「僕は、ロードには乗ってないんですよ。マウンテンバイクです」。
兄ちゃんが答えた。
そして、「もし、マウンテンバイクにも興味を持ったら、今度、いいトレイル(山道)をお教えしますよ」と言い残し、笑顔で去って行った。

立ち尽くす俺。
「そら、そうやなぁ」。
たくさんの荷物を届けるのに忙しい中、俺の話相手になって、時間を費やすことはできない。
そう、頭ではわかっているのだが、何か寂しさが残った。
また来てくれよ、兄ちゃん…。

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