(238)困った…。オリジナルジャージをオーダーするのだが…。-1

来週、飲み会がある。
まぁ、「会」と言っても、参加者は俺も含めてたったの3人。
自転車に乗る趣味を持った、おっさんたちの集いだ。
普段、自転車の話をする相手が少ない俺としては、会うことを楽しみにしているが、ひとつ、不都合な点もある。
「オリジナルのジャージ、もうできた?あれからどうなった?」と聞かれると、心苦しいのだ。

我々3人は、もともと仕事の付き合いがあるわけでもなく、職場も出身校も違う、まったく接点の無い関係だった。
それが、5年ほど前、たまたま酒の席で知り合い、お互い自転車に興味があるとわかり、徐々に親交が深まる。
以後、3人が揃う機会は少ないものの(別々に会うことはちょくちょくあるが)、年に1回は3人だけで集まって飲み、年に1回ペースでロングライドを楽しむ。

あれは、去年の夏。
その少ない機会の中で、楽しく話し、気持ちよく飲んでいたところ、「3人でチームを作ろう(活動する機会は少ないが)」、さらに「チームのオリジナルサイクルジャージを作ろう」という話になった。
「お、めっちゃええやん」と、俺は思った。
たった3人のチームだが、みんなで自転車に乗って旅に出て、しょっぼいビジネスホテルに泊まり、夜は街に繰り出して酒を飲む。
いつも、俺がひとりでしていることを、チームで、3人でできるなんて、想像しただけで楽しくなってきた。
「では、チーム名はどうしましょ?何か希望なり案はありますか?」。
メンバーのひとりに聞く。
回答は、「TEAM KRMにしましょう。それでいいですやん」。
俺は、「ほんまかいな?」と思った。
全然格好良くないし、何か安直な気もするが、「では、TEAM KRMは暫定ということで」。
とりあえず、その場を処理した。
「ジャージは、どんなデザインにしましょう?何か希望なり案はありますか?」。
「KRMさんに、お任せします」。
任せてもらえるのは嬉しいが、「趣味に走りすぎて、変なもん作ったら申し訳無いよな」と、責任を感じながらも、俺は承諾した。

翌日、仕事の合間に、オリジナルサイクルジャージについて、ネットで調べてみた。
「まずは、どこのメーカーに注文するかやな」。
当初、想像していたよりも、多くのメーカーがオーダーを受け付けている。
それぞれチェックすると、価格帯も納期もまちまちで、決断を下すのに難儀した。
結局、「激安のとこもあるなぁ。でも、せっかくのオリジナルジャージやし、少々値段が張っても、ええ物にしたい」。
そう思い、信用あるパールイズミに決めた。

「メーカーはパールイズミに決めてと、次は半袖ジャージか長袖ジャージか…やな」。
以前の俺なら、即決で半袖ジャージだったが、今は長袖ジャージも捨て難い。
と言うのも、初めて長袖ジャージを買い、それを着て走った時に、「これはこれで使い勝手ええよな」と感じたからだ。
もともとは、真夏にサイクリングする時は、半袖ジャージ1枚。
春か秋は、半袖ジャージの下にアンダーウェアを着て、暑さ寒さの調整をしていた。
が、長袖ジャージを着てしまうと、「春も秋も、これ1枚でいけるかも」という気になる。
あまりにも寒くなれば、冬物のアンダーウェアの上に長袖ジャージ、さらに上にジャケットで過ごせる。
「よし、長袖ジャージにしよか」。
そう、決断を下しかけたが、よく考えてみると、問題点もある。
長袖ジャージは半袖ジャージよりも高く、1着15,000円ぐらい。
家族持ちのメンバーにとって、金銭的な負担にはならないだろうか?
メールで確認を取ってみた。
「半袖ジャージではなく、長袖ジャージをオーダーしてもいいですか?」。
「お任せします」。
「15,000円しますけど」。
「いいですよ」。
悩んで損した気持ちになるぐらい、あっさりと承諾された。

「えと、次に決めなあかんことは…と」。
パールイズミのサイトに目を通しながら考えていると、俺は泡を食う。
なんと、「最低5着からオーダーして下さい」とのこと。
俺も含め、メンバー3人で5着…。
他の2人にメールして、事情を説明する。
そして、「俺は2着買いますので、どちらかひとりは、2着でお願いできませんか?」と聞いみた。
「頼む。どちらかひとり、なんとか協力的な姿勢を見せてくれ」と念じながら。
すると、「自分は2で」と、ひとりのメンバーから快く受け入れてもらえた。
今はそうでもないが、その時は本当に感謝した。

「あ、長袖ジャージ5着の振り分けはできたけど、みんなにサイズの確認を取らなあかんわ」。
パールイズミのサイズ表が記載されたURLを貼り付け、繰り返し、メンバーにメール。
「XLでお願いします」。
ひとりからは即返事があったが、もうひとりからは、なかなか来ない。
結局、2週間ほど経って、「XLで」と返事が来たが、「そんなもん、さっと決めてさっと返事くれよ」と俺は思った。

「え~、あと決めなあかんことは何が残ってるかな?」。
そんなことを、仕事の合間に考えていると、なんだろう?
だんだんと楽しくなってきた。

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