(244)チューブラータイヤを交換しなければ。-1

カーボンチューブラーホイール、FFWDのF4Rは、俺にとって宝だ。
赤いスポークが最高。
はっきり言って、萌える。
横から見ているだけで、心が満たされる。
ただ、ホイールはホイール。
盆栽や骨董品ではないので、距離や天候を考慮して、走る時は走る。
その度に、F4Rの能力にしっかりとあやかって、サイクリングを楽しませてもらっている。

先日、「F4Rで走ろうか」と思い、タイヤに空気を入れていると、空気漏れの音がした。
音の出所は、バルブ周辺。
「う~ん、おそらく、バルブエクステンダー(バルブを延長する部品)がおかしいんやろ」。
そう考え、ウエムラサイクルパーツに行った。
が、新品のバルブエクステンダーに交換しても、空気が入らない。
相変わらず、プシュー、プシューと空気漏れの音がする。
困った。
ネットで調べてみると、バルブ周辺のパンクは起こりえるようで、「結局、タイヤを交換せなあかんのかよ」。
俺はがっかりした。

再度、ウエムラサイクルパーツへ。
先週土曜のこと。
台風到来。
仕事でもない限り、外をうろつくべきではない日だ。
普通はね。
しかし、俺は、早めにタイヤの交換をしておきたかったので、電車が走っていることを確認して、梅田に出ることにした。
クリンチャータイヤの交換とは違い、チューブラーの交換は、時間がかかる。
単純に、作業量が増えるので時間がかかる面もあるが、チューブラーは、放置時間も必要とする。
まず、ホイールから古いタイヤを外し、新しいタイヤをホイールにはめ、タイヤを馴染まさなくてはならない。
一晩、こうして寝かせておかないと、本番の時にうまくはまってくれない。
そして、ホイールにリムテープ(ホイールとタイヤを接着する両面テープ)を貼り、その後、タイヤをはめる。
ここでも、完全な接着のために、一晩寝かせなくてはいけない。
というわけで、タイヤの交換から安全な走行が可能になるまで、けっこう時間がかかる。
まぁ、急いで交換したところで、F4Rで走らなくてはいけない予定があるわけでもないのだが、俺の心境としては、いつでも使える状態にしておきたいのだ。
仕事より前倒しにスケジュールを組んで。

風はやや強く、小雨が降る梅田。
俺は、駅からウエムラサイクルパーツに向かうが、この時、腹が減りすぎていたので、ちょっと遠回りをして天下一品に寄る。
こってりラーメンの他に、瓶ビールまで頼んでしまったのが、後々考えるとよくなかったのかも知れない。

ウエムラサイクルパーツに着き、目当てのチューブラータイヤを探す。
以前、タイヤの売り場で、特価品として吊られていた、VittoriaのCORSA CX。
確認したが、どうも特価品コーナーには無い。
普通のチューブラータイヤの売り場を探しても無い。
再度、Vittoriaのチューブラーを片っ端から見た。
が、ほろ酔い気分で集中力が無くなったせいだろうか。
途中で「もうええわ」と思い、店の出口へ歩く。
そして、傘立てに目をやると、俺のビニール傘がパクられているではないか…。
「なんか、もう疲れた…」。

「電車で帰って、家でゆっくりしよう」。
「家で、もう一杯飲もう」。
だらけたテンションで、駅に向かって歩いていると、「あかんわ。やっぱり、早めに対処せなあかんわ」と正気を取り戻す。
少し歩かなければいけないが、シルベストサイクルに向かって進んだ。

難波の高島屋や、梅田のハービスに店を構えるシルベストサイクル。
以前よりも、高級志向に走っている感じがする(気のせいかも知れないが)。
GUCCIやTIFFANYが入るハービス。
そこに、上下adidasのジャージで足を踏み入れるのには、少しの度胸がいった。

シルベストサイクルに入店。
タイヤ売り場をチェックしたが、陳列している商品の数が少ない。
ウエムラサイクルパーツの場合、店内はごちゃごちゃしているが、品揃えは豊富で助かる。
シルベストは、綺麗にディスプレイされているが、ラインナップが豊富ではない印象を受け、「諦めよかぁ」と思って店を出た。
が、通路を挟んで隣にも売場があったので、「念のため、物色しとこう」とうろうろする。
展示されているのは完成車中心で、「チューブラータイヤはここには無いんか?」と思いながら歩いていると、眼鏡の店員さん(兄ちゃん)から声を掛けられた。
「こんにちは」。
「はい、こんにちは」と返す俺。
「いらっしゃいませ」とは違い、「こんにちは」は親近感がわく。
「何かお探しですか?」。
おそらく、あちこち見回している俺を見て、そう思ったのだろう。
「チューブラータイヤが欲しいのですが」。
「なら、隣のあちらの売場にありますよ」。
「え、そこは見たんですが…」。
「お求めの物は、どういったタイヤでしょうか?」。
「VittoriaのCORSA CXです」。
ふたりで、通路を跨ぎ、俺が最初に確認したタイヤ売場に戻る。
「ありませんねぇ。申し訳ございません」と、丁寧に対応して頂き、俺は満足して帰った。
誠意の塊が、俺のハートにズシンときたからね。
「兄ちゃん、ありがとう」という言葉しか、俺には出ないよ。
うん。

…が、現実は変わらない。
状況は、一切変わっていない。
タイヤのパンクは解決していない。
となると、F4Rは使い物にならないわけだ。
「どないすんねん!?」と、帰りの電車の中で自問する俺。

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