(246)チューブラータイヤを交換しなければ。-3

ウエムラサイクルパーツのタイヤ売場。
Vittoriaのチューブラータイヤが陳列されている。
商品名に「CORSA」と記載されているが、「CX」は無い。
しかし、「CORSA GRAPHENE 2.0」はある。
「これが後継モデルか?」と思い、売場の隅でスマートフォンを取り出し、調べてみた。
「グラフェンは、Vittoriaのみが採用可能なナノ素材。これにより、軽い上に強度も兼ね備えたなんとかかんとか…どうたらこうたら…」。
いまいちよくわからない点もあったが、何か知らんがすごいらしい。
まぁ、とにかく、「CORSA CX」が売場に無いのだから、「CORSA GRAPHENE 2.0」を買うことで、丸く収まるような気がしてきた。
ただ、その場合、俺のロードバイクの前輪と後輪は、銘柄が異なるタイヤになってしまうが、それでも問題無いのだろうか?
引き続き、スマホで調べてみた。
結論としては、「アリ」。
「敢えてそうしている」という意見が目についた。
理由として、「フィーリング」の人もいれば、具体的な解説を交えている人もいる。
「よし、決めた」。
いつまでも売場の隅でスマホをいじっていても、他のお客さんに迷惑を掛けるかも知れないし、店員さんに不審者と思われるかも知れない。
俺は、さっと精算した。
が、タイヤ1本に10,000円以上使ったのは初めてなので、変な罪悪感に支配されてしまう。

家に帰って、お気に入りのホイール、F4Rからパンクしたタイヤを剥がす。
まず、タイヤレバーをホイールとタイヤの間にねじ込む。
そして、ホイールを傷付けないように、ホイールレバーを慎重に横へとスライドさせ、少しずつタイヤを剥がし、ある程度剥がしたら、手で一気にいく。
この時、少しの快感に浸ることができる。
次に、ホイールとパンクしたタイヤを接着していた、リムテープの残骸を処理する。
普段、フレームを拭く時に使っている、ウェットティッシュのような物で、ささっと清掃し、それでもリムテープの残骸が残っていれば、親指の爪で優しく剥ぎ取る。
タイヤが装着されていない、買った時の状態になったホイールをまじまじと見て、素直に思う。
「いいねぇ」。

「仮止め」という表現が正しいのだろうか?
最終的に、ホイールと買ったばかりのタイヤ、CORSA GRAPHENE 2.0を、リムテープで接着するわけだが、新しいタイヤは硬く、ホイールに嵌めるのは困難だ。
なので、本番前に一度、リムテープ無しの状態で、ホイールにタイヤを嵌めて、馴染ませる意味で寝かしておく。
ただ、仮止め自体も面倒くさい。
ホイールを足で固定しながら、手の親指で少しずつ嵌めていく。
「普通に生活してて、こんなに親指が疲れることってないよな?」。
そう思いながら。
無事に仮止めが終わると、一晩寝かせて…。
この時点で、俺はかなりほっとした。

ホイールにリムテープを貼る。
保護フィルムを少し外に出す。
馴染んだタイヤを嵌める。
そして、ホイールとタイヤが嵌まった状態で、保護フィルムをゆっとりと、途中で切れないように剥がしていく。
「うん、バランス良く、綺麗に嵌まってくれた」。
とどめに、シーラントというパンク防止剤(買っといてよかった)をバルブコアから流し込む。
これにより、ちょっとしたパンクなら、穴をカバーしてくれるそうだ。

「終わった。全てが…」。
人生で2回目のチューブラータイヤ交換。
「できた」という経験、感覚がとてつもなく嬉しい。
放心状態でしばらく横になった後、俺は立ち上がる。
「ロードで走りたい!」という熱い気持ちが俺を支配した。
「さぁ、ジャージに着替えて、走るぞ!」と思ったが、タイヤとホイールを接着するため、チューブラーはまだ寝かせておかなくてはいけない。
なら、クリンチャーがある。

2時間ほど、薄暗い西宮市内を走ったが、いくら走っても気持ちは高ぶるばかりであった。

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