(319)Nironeと俺。~お別れ編~

Nironeを手放すことになった。

以前から所有していたカーボンフレームのロードバイクと、Nirone(アルミ)を使い分けて、サイクリングを楽しんでいた俺。
カーボンにもアルミにもそれぞれ魅力があり、また、Nironeは比較的楽な姿勢で乗れるので、距離やコースによっては、かなり助けてもらった。
が、一昨年、中学時代の友人Hから、「譲ってくれへん?」と頼まれる。

「最近、体動かしたい思うねん。家と職場を行き来するのにな、ロードバイク乗ってな、運動できたらなぁって思うんやんかぁ」。
「ええやん。ロードはええ運動になるわ」。
「でもな、ロードは高いやろ?お前、いらんのあったらくれへんか?」。
「アルミのフレームでええか?」。
「なんでもええで」。
とりあえず、Nironeをあげる方向で話を進める。
まず、正直な気持ちとして、只でも問題は無い。
相手は、古くから付き合いのあるHだ。
また、俺がNironeに乗って走る以上にHが走ってくれたら有効利用にもなるし、苦しさも含めてロードの楽しさをHにも共感してもらえればと思った。
しかし、だ。
1点、問題がある。
譲るからには、大事にしてほしい。
「お前な、週に1回でええから、チューブに空気入れたり、フレームを拭いたりできるか?」。
「それは大丈夫やな」。
「じゃあ、室内保管はできるか?家に帰ってマンションの駐輪場に止めるんじゃなくて、部屋に持ち込んで保管できるか?職場でもそう」。
「う~ん、それは難しいな」。
本音として、「話にならないな」と思った。
ママチャリ感覚でロードを所有するのはやめてほしい。

しばらくして、近所の飲み仲間であるTさんから同様の相談があった。
「最近、職場で部署が変わってな、毎日デスクワークやねん。前と違って体動かせへんから、ブクブク太ってきてなぁ」。
そう言うTさんの体を見ると、「確かに」と思った。
「それでな、ダイエットを兼ねてロードで通勤したいねんけど、余ってるロードあれへん?」。
俺は、「前にもどっかでこんな話を振られたな」と思った。
普段、Tさんにはそれなりには世話になっている気がする。
以前、「田舎に帰ったから、これ、お土産」と、信州の日本酒をもらった。
そのお返しというわけではないが、「ロード、まぁ、譲れることは譲れますが…」。
「ただ、銭金の問題じゃなくてね、譲る条件がありますよ」。
前と同様、メンテナンスと室内保管を必要条件として提示した。
「そっかぁ。問題は、職場で保管場所があるかどうかやなぁ。ちょっと調べて、また連絡するわ」とTさん。
数週間後、偶然、飲み屋でTさんに会った。
「この前のロードのことなんやけどなぁ、職場で保管するんは難しいわぁ」。
話は流れた。

またしばらくして、知り合いのRさんと話していると、「もし、乗ってないロードがあったら、安く売ってもらえません?Bianchiで」。
「NironeっていうBianchiのアルミロードなら検討しますが」。
「でしたら、一度、乗せてもらえませんか?」。
悩む。
正直、「Rさんに今の状態のNironeは乗せたくないな」と思う。
Rさんは、体がごつい。
そして、重い。
「Nirone、今、カーボンホイール履かせてるから、重いRさんを乗せたくないよなぁ」と、ものすごく強く思う。
失礼を承知で、「今の体重ではちょっと…」と言い、その場で話は流れたが、数週間後、再度「乗せてもらえませんか?」とRさん。
その時、「そういや、ホイールを買った時に付いてきたアルミの鉄下駄に変えて、ブレーキパッドもアルミ用に交換したらええわ」。
それだけのことである。
「ちょっと時間をくださいね」とRさんに伝えた。
が、家でホイールとブレーキパッドの交換しながら、盲点に気付く。
ペダルだ。Rさんに乗ってもらおうにも、俺はフラットペダルを持っていない。
また、Rさんはビンディングシューズを持っていない。
少し「買いに行くん面倒くさいなぁ」と思ったが、Rさんにロードの楽しさがわかってもらえたら俺も嬉しいので、俺の方で用意しよう。
ただ、1つ気になっていたのが、(やっぱり)保管場所が用意出来るかどうか。
確認を取ると、昔、バイクが好きだったので、工具も車庫も家にあるし、職場も雨風にさらされず保管できる環境があると。

「しゃあないなぁ」と、今日の夕方、俺は梅田のウエムラサイクルパーツに向かった。
安目のフラットペダルを買い、明日、Nironeに取り付ける。
そして、Rさんには明日か明後日に渡すつもりだ。
大事に乗ってほしいし、ロードの楽しさを味わってほしい。
ふたりで酒を飲みながら、サイクリングについて語り合いたい。

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