(285)伊勢志摩を走る。~2日目 楽しみにしていた牡蠣~

第2エイドステーションに着いた。
海が見渡せる小高い丘の上に、木造の簡素な建物。
さとうみ庵。
ここは、今回のイベントに参加する前、パンフレットか何かで知ったが、海女さんの休憩所を模したもので、海老やら貝やら振る舞われるそうだ。
まぁ、別途料金が必要になるのでスルーし、タープテントに足を向ける。

伊勢志摩サイクリングフェスティバルに参加を決めた理由として、まず、自転車を輪行バッグに収納せず、そのまま車内に持ち込めるサイクルトレインに乗れること。
次に、伊勢志摩の綺麗な景色の中を走れること。
そして、エイドステーションでご当地のうまいものが振る舞われること。
特に、この第2エイドの牡蠣、ヒオウギ貝、味噌汁には、かなり期待していた。

タープテントに連なる行列。
「牡蠣!牡蠣!早く牡蠣!」と念じながら並ぶ。
基本的に、俺は海の幸があまり好きではないが、牡蠣だけは別格だ。
昨日もたらふく食ったが、牡蠣に対する欲求に限界は無い。

2、3分待って、パックに入れた牡蠣、ヒオウギ貝、味噌汁をもらい、海女小屋の前に座り食べる。
ヒオウギ貝は貝柱がしっかりしているのか、なかなか取れなくて苦労したが、うまかった。
牡蠣もちゅるっと食い、独特のうまさに満足できた。
味噌汁もだ。
温かい汁物は、体に染み込む。
最高。

「僕、味噌汁、もう1杯もらいに行きますわ」。
無法者のBさんが言う。
「いや、それはマナーと言うか、ルールとして1人1杯ちゃいますかね?」。
「きっと人数分より多目に作ってますよ」。
スタスタとタープテントに向けてBさんは走って行った(2回目)。
「仲間と思われたくない」。
俺は素直にそう思った。

Bさんが不正を働いて得た2杯目の味噌汁を飲んだ後、我がチーム、おっさん3人でこれからの予定を立てる。
今回のイベント、伊勢志摩サイクリングフェスティバルのロングコース57㎞の半分は既に走った。
今のペースで残り半分を走ると、昼過ぎにはゴールに着く。
その場合、帰りのサイクルトレインに乗るまでの空き時間が増えてしまい、退屈な時間を過ごすことになる。
「どうしましょ?」。
「とりあえずゴールまで走ってから、空き時間をどうするか考えましょう」。
「そうしましょか。とりあえずゴールして、スペイン村の周辺でビールでも買って、飲んで時間を潰しましょう」。
話は決まった。

ゴールまでに、もうひとつ、最後のエイドステーションがある。
第3エイド。
我がチームは、今回初めて無法者Bさんを先頭にし、第3エイドに向けて走り出した。
が、Bさんは頼りない。
「ほんまにこの道で合ってるんか?」と不安を感じながらついていく俺。
後ろを走るAさんも不安だったようで、「ちょっと待って下さい。Bさん、この道で合ってます?」。
3人とも足を止めて地図で確認したところ、Bさんの進む方向で正しかった。
誰にも信頼されていないBさん、なんて可哀想な男なんだろう。
まぁ、日頃の行いが悪いと言うかいい加減だからなのだが、それでも同情を禁じ得ない。 

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