(119)頼むから、俺を眠らせてくれ。ジロ・デ・イタリア2019。-5

「ふむふむ」
「ガッデム!」
「…。」

朝っぱらから、激昂したり落胆したりで、感情を制御するのに苦労した。
ジロ・デ・イタリア2016 第19ステージの速報を、寝起き様に確認した俺。

「Bianchiのフレームが世界を取る!」と、マリアローザをまとった、チーム・ロットNL・ユンボのステーフェン・クライスヴァイク選手を応援したが、まさかの落車。

ネットの記事を読むと、クライスヴァイクは雪が積もった路面でクラッシュ。
第19ステージのゴールにはたどりついたが、落車により負傷し、ペースが落ちたせいで、それまでの貯金を使い果たす。
結果、個人総合1位の証であるマリアローザを、他の選手に明け渡した。

「嘘やろ?」
現実を受け入れたくない自分がいる。
念のために、YouTubeで第19ステージのハイライトを確認した。
峠からの下り、雪の壁に突っ込んで、見事に1回転するクライスヴァイク。
この時、肋骨にヒビが入ったらしい。

嘘ではなかった。
現実を受けとめ、俺のジロは終わる。
あと一歩のところまできていたクライスヴァイクは、結果として、総合優勝ではなく、総合4位で終わった。
俺は、「もったいなかったけど、総合4位でも御の字だ」と自分に言い聞かせた。

翌2017は、グランツールにおけるロットNLの成績も、Bianchiのフレームにも、これと言った印象が残っていない。

2018年、ツール・ド・フランス。
ロットNLのメインバイクは、Oltre XR4。
チェレステは、生産した年によって若干色が変わると言われているが、確かに2018年モデルは発色のいいチェレステだった。
また、Oltre XR4は、ステム一体型ハンドルを採用したエアロロード。
Bianchiは伝統的なブランドだが、Oltre XR4のカラーと形状を見た時、妙に近未来的な印象を受けた。
いかにも、やってくれそうだ。

俺は、この年のツール・ド・フランスを、リアルタイムでは観ていない。
1回も。
朝、起きてから、ネットで速報記事を読み、YouTubeでハイライトをチェックしただけだ。

ロットNLの選手の活躍としては、第7ステージと第8ステージにディラン・フルーネヴェーヘン選手が、第19ステージにプリモシュ・ログリッチェ選手が、区間優勝をした。

彼らが、総合首位の証である黄色いジャージ、マイヨジョーヌに袖を通すことはなかったが、俺は嬉しかった。
「ふふふっ、全21ステージ中、3ステージも取るとは、ヴァカンソレイユの時とは違い、俺もずいぶん偉くなったもんだ」と(俺は何もしていないし、成長もないが)。

最終成績も、個人総合優勝者とは3分以上の差はあったが、4位にログリッチェ、5位にクライスヴァイクと、喜ばしい結果を残した。
「ふふっ、来年が楽しみだぜ」とつぶやいた来年が、今年。

今、2019年のジロ、真っ最中だ。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする