(122)すね毛問題について考える。ロード乗りのマナー?俺は男なんだ。-1

「兄ちゃん、暑そうやなぁ」と、知らないおっちゃんに声をかけられた。
ちなみに、俺は「兄ちゃん」と呼ばれるほど若くない。

数年前の夏の話。
蝉が大音量で鳴いていたかどうかは記憶に無いが、とんぼが飛び交うサイクリングロードを、俺はちんたらと走っていた。
「暑いなぁ、だるいなぁ」
「帰りに100円の自販機に寄ろう。デカビタのパチもんみたいなあのジュース、今飲んだらめちゃめちゃうまいやろなぁ」
そんなことを考えながら、惰性でクランクを回していた。

後ろからロード乗りが迫ってくる。
ほんの数秒、俺の横につき、「兄ちゃん、暑そうやなぁ」と言って過ぎ去って行った。

その人に限らず、ロード乗り全般は、ヘルメットを被り、アイウェアをかけているので、顔がわからない。
何歳ぐらいなのかもわからない。
ただ、その人は俺より年上、40代後半以上であるのは、なんとなくわかった。
俺を追い抜いたその後ろ姿に、白髪まじりのロン毛が確認できたからだ。
また、とてもスリムな体型で、「ロード歴が長い人なんやなぁ」と感じる。
派手なジャージに身を包み、なんとなく「弱虫ペダルの鳴子くんが50代になった感じやな」と思いながら、俺は彼を追いかけたが、追いつけなかった。

俺が言われた言葉、「兄ちゃん、暑そうやなぁ」の意味は、容易に理解できた。
俺の格好について、指摘してくれたのだ。
半袖のジャージを着ているが、ボトムスが長ズボンで、見るからに暑苦しかったのだろう。
わかる。
わかるのだが、俺には俺で事情があるのだ。

俺の小学校は、制服があった。
紺色の半ズボンで登校しなくてはいけなかった。
冬のアホみたいに寒い日でも、「風邪をひいている」とか何か正当な理由がないと、半ズボンを履かなくてはいけない。
「常識で考えておかしいやろ?」という寒さでも、関係無い。
どうせ、教師に抗議したところで、「子供は風の子」というクソみたいな返しが予想できたので、あきらめていた。
そんな経験を通じ、「大人になって、校則が無くなれば、俺は半ズボンを履かない」という拘りが、俺の中で芽生えたかのも知れない。

それと、もう1つ。
レーパンやショートパンツを履くことに抵抗がある。
走っている間はいいが、あの格好でコンビニに寄るのは、どうしても抵抗があるのだ。
ついでに言っておくと、知ってる人にその姿を見られたくない気持ちもある。

以上の理由で、俺は長ズボンを履いてサイクリングしている。
まぁ、正確には、パールイズミのバイカーズパンツを履いている。
一度、サイクリング中に転倒し、穴が開いてしまったが、気に入っていたので同じ物を再度購入した。

このバイカーズパンツ、俺は好きだが、おっちゃんのご指摘通り、確かに暑苦しく見える。
実際、履いてる俺としても暑い。
「どないかならんかなぁ」と考えたところ、「はっ!」と気付いた。
どないかなる。
このパンツ、一度も触れたことは無いが、膝下にファスナーがあるのだ。
ファスナーを開けると、7分丈のパンツになる。
すごい。

「これや!」ということで、「今後、バイカーズパンツを7分丈にしてサイクリングしよう」と心に決めたのだが、話はそう簡単には進まない。
難関が立ち塞がった。
それは、「すね毛」。

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