(585)不人気ブログの記事を書き続ける-2

ぼろ雑巾のようなこのブログを2年続け、問い合わせフォームから2通目のメールが来た(1通目は三重県のSさん)。
件名は「いつも楽しく拝見させています」。
一瞬、「楽しく?皮肉でしょうか?」とつぶやきそうになったが、「いや、これは善意として受けとめよう」。
本文に目をやる。

「初めまして。突然のご連絡で失礼します」。
気持ちの中では正座をし、「いえいえ、どうもご丁寧に」と会釈しそうになった(実際は、スマートフォン片手にあぐらをかいている)。
読み進めると、まずはメールの送り主であるJさんの軽い自己紹介。
「なるほど、なるほど」。
Jさんは、俺と同年代で住んでいる町も近い。

ロードバイクに乗り始めてから、まだ日は浅いが、俺と同じサイクリングロードをよく走っているそうだ。
と言うことは、今までに何度かすれ違っているかも知れない。
まぁ、心当たりが無さすぎて、誰かはまったくわからないが。

更に読み進める。
住んでいる町が近いだけあって、俺がブログのネタにする場所を身近に感じ、また走った感想や考え方も共感できると。
親近感を抱いてくれていると。
そして、「文章もすごくお上手ですし」とお褒めの言葉まで頂いたわけだが、「お上手か?」。

世間から見はなされたブログを2年も続けていると、褒め言葉に違和感を覚えてしまう。
「お上手かな?」。
目をつむり、「文章と俺」をテーマに過去を振り返る。

そう言えば、小学校低学年の頃、俺は作文が得意というか、特に悩むこともなくスラスラ書いて提出し、「上手いね」と教師に評価されるのが当たり前だった。
で、一度、本気になって作文と向き合い、「おばはん(教師)を感動させて、泣かす作文を書いたろか」。
そう試みたところ…。
「はっ!あかんわ!脳内で自分語りしそうになった!」。
思い止まり、Jさんからのメールに視線を戻す。

「えと、『私の周りにはロード乗りがおらず、いつもひとり寂しく走り、ひとり寂しく趣味に没頭している感じです』と」。
「なるほど。そんな境遇なんかぁ。それは寂しいねぇ…って俺と一緒やんけ!」。
「で、なになに?『このメールを機会に、いろいろと教えて頂き、情報交換してもらえればと思います』と」。
正直、「参ったなぁ」と思う。
俺はロードに乗って8年か9年経つが、ただ長いだけ。
いつもマイペースに走っているだけで、人に教えたり交換する情報も無い。
このブログを読んでくれているなら、その結論にたどり着くはずなのだが…。

引き継ぎ「参ったなぁ」と思いながら、返事を書く。
「ちょっと先輩ヅラしてみよか」。
「でも、あまり偉そうにしたらあかんよな」。
「Jさんは丁寧なメールを送ってくれた。俺は俺なりに誠実に返信せなあかんわ」。
そうだ。
ブログを2年続け、やっと送られた2通目のメール。
送ってくれたJさんに対し誠実に向き合い、そして返信しなくてはならない。
俺は気持ちの中で正座し、そしてスマートフォンに向き合った(実際は、ガムを噛みながらゴロ寝)。

つづく

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