(16)新城幸也選手、渡辺航先生を見た、ひとりサイクルモード大阪-1

ロードバイク購入後の俺は、いっぱしのロード乗りになった気分で、バイシクルクラブやサイクルスポーツなどのスポーツバイク雑誌を購読していた。
そこに、サイクルモードについての記事や広告が掲載されており、興味がわく。
多数のフレームメーカー、ホイールメーカー、部品メーカーが出展し、試乗コースも設けられる。
安田大サーカスの団長さんや新城幸也選手など、スポーツバイクに携わる有名人もゲストとして来られる。
そんなイベント、サイクルモード。
大阪でも開催されるということなので、いっぱしのロード乗りになった俺としては、行くしかない。

大阪会場は、インテックス大阪。
中ふ頭駅で降り、雨の中をひとり、会場へ向かう。
以前、飲食業界の展示会で来たことがあるので、その広さを知っていたが、今日はスポーツバイク関連のブースで埋まると思うと、胸が高鳴る。

会場に入ると、まさに期待通り。
パンフレットを見て、DE ROSA、サイクルヨーロッパ、フルクラム、ピナレロジャパン、その他のブースも見て回ったが、ホイールメーカーの展示が特に印象に残った。
壁に吊るされている多数のホイールたち。
大型店でもこの光景はなかなか見れないと思う。

当時、次に何か大きな買い物をする時は、ホイールと決めていた。
「ホイールを変えると、乗り味も変わり、サイクリングがさらに楽しくなるだろう」と考えていたからだ。
ただ、12~3万円で購入したロードバイク完成車に対し、10万、20万、またはそれ以上のホイールを履かせるには、少し抵抗を感じる。
服は安物、鞄はブランド物みたいになるのが嫌だ。
それに、そもそも金が無い。
結局、ホイールを見るだけで次のブースに移った。

「隣の展示場に行こう」と思い、出口に向かって歩いていると、通路からサイクルジャージを着た新城幸也選手と数人のスタッフが歩いてきた。
どうもトークショーが始まるようなので、俺も新城選手たちについていき、それを見ることにする。
新城選手は、日本人としては数少ない世界に通用するプロロード選手で、その人の話を生でうかがえるのは貴重である。
いっぱしのロード乗りになった俺にとって。

まず、新城選手が、自身が着ているルイガノのジャージについて、その良さをアピールされた。
そのままトークショーは続き、最後の質問コーナーに。
司会の方の「新城選手に質問がある人、いますか~?」の後、「はい!」「はい!」「はい!」の声が殺到するかと思いきや、まさかの0。
俺も含め30~40人がトークショーを見ていたが、まさかの0。
一瞬、場の空気が凍ったように感じる。
そこで、誰か知らん人が、「先日の〇〇レースの第〇〇ステージでどうのこうの…どうだったんですか?」というような質問をした。
ロードレースを観る機会が少ない俺には、なんのことかわからない質問だったが、「ナイス、知らん人!」と心の中で叫んだ。

実は、俺には、新城選手に質問したいことが、ひとつあった。
普段、近所のサイクリングロードを走っていると、風が強すぎて前に進まないし、肉体的にもつらい時がある。
そうなると、走っていておもしろくない。
自分なりに工夫して、向かい風を克服しようとするのだが、思うようにいかない。
それを新城選手に質問したかった。
だが、「プロの選手にこのレベルの質問をするのは、何かおかしくないか?」と、俺は躊躇してしまったのだ。
まわりにも俺と同じような人がいたと思う。

トークショーが終わり、うろうろしていると、また、どこかで見たことがある人が歩いているではないか。

※この記事は、2019年1月24日、俺が別のブログに投稿した文章を、加筆、修正したものです。

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