(934)三重県から来たロード乗りの客人~人がいる~

「ほんじゃ、次で終わりですわ。近くの店です」
ホルモン焼き食べ歩き3連戦(俺は食ってないが)、最後の店に向け、商店街を進む。
のんびりと。

和菓子屋やお好み焼き屋など、いくつもの店をちらちら見つつ、「ここって美味いんかなぁ?」。
そんなことを考えていると、Sさん(三重県在住 40代 男性)が話し掛けてきた。
「えぇ。人が多いですよね、えぇ」
俺からすると、時間帯のせいだろう。
正直、人が多いとは思えない。
特別、人が多いとは思わない。
「う~ん、Sさんの感覚では、賑わいまくってる…なんかなぁ」

少し歩くと、「えぇ、今日ね」。
また、Sさんが口を開いた。
「えぇ、今日ね、えぇ。歩道にね、人がいたんですよ。えぇ」
最初、何を言っているのか理解できなかった。
歩道に人がいるのは当たり前…ではないだろうか?
缶ビール片手のSさんは、べろべろに酔っ払っているのか?
まぁ、とりあえず…だ。
会話を成立させなければならない。
「歩道に人、いましたか?」
「えぇ。歩道に人がいました」
苦しい。
理解し難い。
歩道に人がいるのは当たり前…だろう。
「公園に鳩がいました」と同じレベルの話だ。
それをわざわざ口にするのは、本当に理解し難い。

考える。
「歩道に人がいました」
その言葉の真意を考える。
哲学的な意味は無さそうだが、会話を成立させるために考える。
と、俺は勘が良いのかも知れない。
「あ、もしかして…」

ロードバイクに乗ってあっちこっち走っていると、「車が鬱陶しいなぁ」と歩道に逃げることがある。
その際、郊外なら歩行者0で、歩道を独占できることもある(本音を言うと、どんなシーンでも歩道を走るのは嫌なんですけどね)。

「バシッ!!」
心の中で、膝を叩く音が鳴り響いた。
なるほど。
Sさんが生活している環境においては、「歩道には人がいない」なのだ。
なるほど。
「バシッ!!」
二発目。

「歩道はあるが人はいない」
その環境で暮らすSさんにとって、「歩道に人がいる」のは随分と珍しい現実で、人に話す価値がある事柄。
理解できた。
「バシッ!!」
三発目。
完璧に理解できた。
が、「ほんなもん、どうでもええわ」と思った。

「あぁ、そういうことですか。まぁ、この辺は、だいたい人がいますねぇ。歩道に」
「えぇ、まぁ。×××でね、ふふふ」
話していると、「かごもと」に着いた。
最終戦の店だ。

つづく

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