(937)三重県から来たロード乗りの客人~酒を飲んだ後~

「そろそろ…」と居酒屋を出て、この日はお開き。
適当な挨拶をして駅に向かおう…としたが、「ちょっと待てよ」。
Sさん(三重県在住 40代 男性)に、一言伝えておきたいことがある。
思い出した。
「あのね、この道を曲がってですね、ホテルとは逆方向に少し進めば、『天下一品』がありますわ」
「えぇ、まぁ。えぇ、今日は結構です、えぇ」
これまで何度か会い、何度か話した中で、彼が天下一品のファンであることを俺は知っている。
大好きな天下一品を食べたいが、三重県には店舗が少ないため、不満を抱えていることも知っている。
ただ、この日は無理…と。
「そら、そうやろなぁ」
分かる気もする。
いくら天下一品が好きでも、彼は短時間にホルモン焼きを300gも食った後なのだ。
既に、十分すぎるほどこってりした。

「では、お疲れ様です」
再度、適当な挨拶を終え、駅に向かおうとした。
すると、Sさんより「ちょっと」。
声が掛かり、「何でしょ?」。
「えぇ、明日の待ち合わせ場所と時間なんですが。ふふふ」
彼は、ホテルの駐車場ではなく、近くの銀行の駐車場に車を駐めている…と。
そして、車にはロードバイクを積んだままである…と。
で、待ち合わせ場所は、ホテルの玄関ではなく駐車場にしましょうよ…と。
「はい。では、明日の朝11時、銀行の駐車場で」
「えぇ、はい」
「では、お疲れ様です」

電車に乗り、扉にもたれながら考える。
この日の予定のうち、Sさんとの予定は終わった。
ただ、仕事の予定が残っている。
会社に戻り、取引先から指定された時間に電話を掛け、そして報告書を送付。
まぁ、報告書は既に書き終えているため、面倒な作業と向き合う必要は無いが、電話はダメだ。
都合が悪い。
「俺が酔っ払ってるん、Aさんに悟られたらまずいなぁ…」と思う。

Aさんは、取引先の担当者。
彼とは、仕事において良好な関係を築いている(と思う)。
また、休みの日にも、楽しく酒を酌み交わす関係でもある。
当然、お互いを「酒飲み」と認識しているが、仕事は仕事。
遊びは遊び。
酔っ払った状態で仕事の電話を掛けると、信用を失いそうで怖い。

会社に着き、水を一気飲み。
何と無しに、酔いが覚めた気がしないでもない。
次に、声を出して電話の練習。
「お世話になっています。krmです。進捗状況についてですが…」
「krmです。問題点も特に無く…」
一応、呂律は回っているようだ。
少し自信が湧いてきた。
取引先に指定された時間となり、Aさんに電話を掛ける。
勇気を出して。

「お世話になっています。krmです。進捗状況について…」
「あぁ、あぁ、krmさん!あぁ、これはこれはお疲れ様です!どうもこれは!」
Aさんのテンションに違和感を覚える。
「あの、進捗状況についてですが…」
「あぁ、分かってます、分かってます!分かってますとも!」
「そうですか。まぁ、問題点については特に…」
「信じてますとも!信じてます、信じてます、信じてますとも!」
「はぁ…」
会話の中で、俺は気付いた。
「どんな事情があったかは知らんけど、この人、今、完全に酔っ払ってるな…」と。

つづく

何の役にも立たないブログですが、読んでくれて有難うございます。
これからも宜しくね。
きっちり押してね。
↓↓↓↓↓

にほんブログ村 自転車ブログ ロードバイクへ
にほんブログ村

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする