(939)三重県から来たロード乗りの客人~商店街の誘惑~

阪神尼崎の京都銀行駐車場。
すっきりしない空を、Sさん(三重県在住 40代 男性)と見上げる。
「えぇ、まぁ、不安ですね。えぇ、雨が降りそうで×××…」
「天気予報やと、何とか持ち堪えてくれそうなんですけど、ちょっと心配ですね」

「ま、とりあえず」と、昨日も簡単に伝えたルートを再び説明する。
工場に囲まれた、運河沿いの「尼っ子リンリンロード」を進み、武庫川を渡ってからは「阪神しまなみ海道」。
最後は深江浜で自販機のうどんを食う。
「で、その前に、ちょっと寄り道を。まずは、昨日歩いた商店街へ向かいましょう」
「えぇ、×××ですね。えぇ」

三和本通り商店街。
ここは、市場や尼崎中央商店街と繋がっており、とにかく長く、そして広い。
また、チェーン店ではなく、こぢんまりとした個人商店が多いのも魅力的。

「えぇ、今日も人が多いですねぇ。ふふふ」
「まぁ、そうですね」
ロードバイクを押しながら、Sさんと歩く。

と、視界の両端には、コロッケやら焼鳥やら豚の角煮やら…。
「美味そうやわぁ」
「あれも食いたいなぁ」
「これも食いたいなぁ」
誘惑される俺。
「あぁ、今日の予定、変更しよか」
「走るんはやめて、この辺の美味そうなもんを買いまくろう」
「そんで、公園で宴会したらええわ」
「うん。阪神しまなみ海道みたいなもん、どうでもええやろ」
「どうでもええな」
誘惑されまくる俺。

「気を確かに持て!」
自分自身に活を入れる。
そうだ。
俺が商店街を訪れた理由。
それは、焼鳥や豚の角煮が目当て…ではない。
米屋が経営する弁当屋「弥次郎兵衛」で、おにぎりを買うためだ。
ライド中、小腹が空いた時に、ここの美味いおにぎりを食べたい。
うん。

「何も考えるな」
「何も感じるな」
そう自分に言い聞かせ、再度、弥次郎兵衛へと歩き出した矢先、「あれは何や?」。
視界の先には、おばちゃんたちの人だかり。
「えぇ、あれは何ですかね?まぁ、×××…」
Sさんも気になるらしく、近寄って確認する。
「あのパックに入ってんの、唐揚げですね。安いし美味そう…」
「えぇ、×××で、焼鳥もありますね。えぇ」
「いやぁ、随分と人気がある鶏肉屋ですね」

気になる。
気になる。
唐揚げと焼鳥が気になる。
と、何だろう?
「おい!」
「おい!もう、ええんちゃうか?」
脳内で、もうひとりの俺が話し掛けてきた。

「もうええやろ。ライドみたいなもん、どうでもええやろ」
「無理せんでええ。唐揚げと焼鳥を買ってやなぁ、そこら辺の公園に行け」
「缶ビールも買ってやなぁ、宴会したらええんや」
「Sさんも思ってるよ。ほんまは思ってるよ。『ライドみたいなもん、どうでもええわ』って。『唐揚げ食いたいわ』って」
「考えてみろよ。ふたりで痩せ我慢したところでなぁ、何になんねん?」

「気を確かに持て!」
再度、自分自身に活を入れる。
邪念を振り払い、そして、何とか着いた。
弥次郎兵衛に着いた。

つづく

展開が遅く、中身もしょぼい。
それが、このブログの持ち味です。
今後とも、寛容な心を持って読んであげて下さいね。
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