(942)三重県から来たロード乗りの客人~我々の関係~

数年前、初めて「尼っ子リンリンロード」を走った時、道はボロボロでガッタガタでも、風景には魅了された。
工場に囲まれた運河沿いの風景。
「工業都市らしくてええなぁ」
「うん、尼崎は味があるわぁ」
ただ、それも見慣れてしまうと、単なる「ボロボロの道」でしかない。
「くっそ…」
路面から3秒間隔で突き上げを食らい、ストレスを感じる俺。

「あ、そやそや」
共に走るSさん(三重県在住 40代 男性)の存在を思い出した。
クランクを回しつつ振り返ると、後方に、脚を止めて写真を撮るSさん。
工場を撮っているのだろうか?
そんなに珍しいものでも無いと思うが。

シャーシャー。
シャーシャー。
背後にSさんの気配。
数秒後、俺の隣に並び、「×××でしてね、えぇ。ちょっといいですか?」と。
「はい、何でしょう?」
「えぇ、あの橋のところで写真を撮りたいんで、×××でね。止まってくれますか?ふふふ」
「わかりました」

橋の欄干にロードバイクを立て掛け、写真を撮るSさん。
そんな彼を見ていると、つい釣られてしまい、「俺も撮ろかぁ」。
バックポケットからスマートフォンを取り出す俺。

「それじゃ、行きましょか」
サドルに跨がり、ゆっくりとクランクを回す。
シャーシャー。
シャーシャー。
やや後ろを走るSさんに、「やっぱり天気が気になりますねぇ。雨、降れへんかったらいいんですけど」。
そう話し掛けると、「えぇ、×××ですね。えぇ。まぁ、×××で×××かな。ふふふ」。
何を言っているのか、ほとんど分からなかった。

サイコンの電池が切れているため、正確な速度は把握できないが、おそらく20km/hぐらいだろう。
のんびりと走りつつ、また振り返る。
と、Sさんがいない。
「どっかで写真を撮ってんのかな?」
「ちょっと待っとこか」

トップチューブに跨がり、薄汚れた運河を眺めながら考える。
「何か違和感あるよなぁ」
「Sさんの趣味って、写真撮影か?」
「そんな話、今まで聞いたこと無いよなぁ」
まぁ、俺もカメラにこだわったり写真を撮りまくったり…という趣味は無い(格好いい趣味と思うが)。
うん、趣味は無い。
ただ、ブログに掲載する目的で、ライド中に(そこそこ)写真を撮っている。
なら、Sさんはどうだろう?
彼はブログを書いていない。
何の目的で写真を撮りまくっているのか?

「あっ」
ふと思い出した。
SさんはTwitterを利用し、楽しんでいる。
twitter上では、お互いをフォローし合う関係では無いが、以前、どう考えてもSさんとしか思えないツイートを目にしたし、一緒に飲んでいる時にTwitterの話もした。
なるほど。
おそらく、彼はツイートに追加するための写真を撮影しているのだろう。

「あっ」
もうひとつ思い出した。
「俺、Sさんをミュートしてるわ…」
以前、タイムラインに「~~でござんす」や「~~でござる」といった、絶望的に面白くないツイートが連発で流れたため、「目障りやわ」。
ミュート。

「あっ」
ミュートした後、「あれってSさんやわ…」と気付いたが、「まぁ、そのままでええやろ」と判断。
というわけで、俺はSさんと会って、共に走り、共に酒を飲む親しい関係…ではありつつも、Twitterのアカウントはミュート。

つづく

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