(945)三重県から来たロード乗りの客人~鳴尾橋と甲子園浜海浜公園~

鳴尾橋のスロープ。
「ここから『阪神しまなみ海道』のスタートです」
「えぇ」
「それでですね、まずはこのスロープですが、一度、登ったところで踊り場をターン。ほぼ停止した状態から、もう一度登ります。ちょっと厄介です」
「えぇ、まぁ」
Sさん(三重県在住 40代 男性)に軽く説明し、「行きましょか」。
クランクを回し始める。

途中、「スロープを設計したんは誰か知らんけど、もうちょっと考えろよ」と思う。
ロード乗りでも、俺みたいに登りが嫌いな人間もいるのだ。
こっちの立場にもなってほしい。
ほぼ平坦だが、緩やかな登り。
しかも、踊り場が無い。
そんなスロープがいい。
うん、そんなスロープがいい。

スロープを登り終え、次は橋を渡る。
ゆっくりと脚を回し、ゆっくりと登り、そして振り返った。
後ろを走るSさんの位置を確認したい。
「あら?」
「あれ?」
「随分と遅れてるみたいやなぁ」
おそらく、ちょっと進んでは写真を撮り、ちょっと進んでは写真を撮り…というペースなのだろう。
脚力は彼の方が上なので、こんなところで疲れ果てた…は考えにくい。
「うん」
脚を止め、ジャージのバックポケットからスマートフォンを取り出す。
「俺も撮っとこか。ブログに掲載する用の」

何の印象にも残らず、味気無い写真…を撮り、またクランクを回すと、やがて下りに入り、そして甲子園浜。
「Sさん!」
振り返り、声を掛ける。
「すぐそこに公園があるんで、休憩しましょ」
ここまで、とても遅いペースで走ってきた。
大した距離でもないし、特に疲れてはいない。
が、休憩を取りたい。
小腹が空いたのだ。
先ほど買った「弥次郎兵衛」のおにぎりを食べたい。

甲子園浜海浜公園。
遊歩道を進み、適当なベンチへ。
「よっこらしょ」
おにぎりを頬張りながら海に目をやると、「おぉ、ウィンドサーフィンか?」。
マリンスポーツに縁が無い俺には、何が面白いのか理解できない趣味。
ただ、縁が無いからこそ、ちょっとした興味や憧れもある。
「ああいうのって、用具一式揃えんの、なんぼぐらいするんやろ?」

ぼんやり考えながら、おにぎりを食べ終える。
さて、休憩はここまで。
甲子園浜は終わり。
次の西宮浜へ向かいたい。
が、ちょっと待て。
一応、伝えておこう。
「Sさん、Sさん。休憩やら寄り道を連発して悪いんですけど、また少し先にあるコンビニに寄りたいんですわ」
「えぇ、はい。えぇ」
「実は、これを買いたくて」
俺は、ポケットからボタン電池を取り出した。

つづく

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