(958)三重県から来たロード乗りの客人~心を鬼にして勝負だ!~

阪神尼崎の銀行駐車場。
ロードバイクを車に積み込むSさん(三重県在住 40代 男性)を見詰めながら、俺は自分を鼓舞する。
「よし、ここで勝負に出ろ!ガツンと行け!」と。

「勝負…?まさか、Sさんに喧嘩を売るの?殴り合いの喧嘩を始めるの…?」
この記事を読むあなたは、きっとそう予想し、ハラハラしているだろうが(実際は何の興味も無いだろうが)、順を追って説明するので、よく聞いてほしい。

昨日は尼崎で酒を飲み、食べ歩き、今日は尼っ子リンリンロードと阪神しまなみ海道を走った。
以上で、三重県より訪れたSさんとの予定は全て終了。
後は、「お疲れ様でした」の言葉を交わし、お別れ…にしたい。
そして、さっさと家に戻り、風呂に入ってから会社へ向かいたい。
しかし、ここにひとつの問題がある。
Sさんの人柄だ。

3年ほど前、我が不人気ブログの「お問い合わせ」より、初めてメールをくれたのがSさんだった。
以来、メールをやりとりし、一緒に走ることに。
実際に会って受けた印象は、「田舎のおっとりした人」。
また、「親切」で「実はお喋り好き」。
例えば、彼にボリューム1の質問をしたとする。
俺は、ボリューム1の回答を待っている。
しかし、親切さやお喋り好きの人柄が影響しているのだろう。
ボリューム5や10で返ってくる時がある。

何も、それが悪いわけではない。
「冗長やな」と感じることもあるが、Sさんの人柄は悪くはない。
ただ、「これから仕事や」と頭が切り替わった俺は、今、無駄に立ち話などしたくないのだ。
「お疲れ様です。では、また」
「お疲れ様です」
その言葉を交わして、さっと別れたい。

が、どうだろう?
ここで、シミュレーションしてみたい。
「お疲れ様です。では」
「えぇ、お疲れ様です。まぁ、出発前は天気に不安がありましたけどねぇ、×××で。えぇ、それでですね、えぇ。まぁ、気温の方はですね、えぇ」
「結局、雨は降りませんでしたね」
「えぇ、気温の方も、まぁ、特に問題も無く。ふふふ。それで、えぇ、途中までは信号も少なく走りやすかったですね、えぇ」
「はい、そうですね」
「まぁ、風向きに関しては、えぇ。えぇ、まぁ、気になることも無く、まぁ、えぇ。それでですねぇ」
以上の様に、終わりの無い立ち話が展開されそうで怖い。
一緒に飲んでいる時なら気にしないが、今は困る。

視線の先には、ロードを車に積むSさんの背中。
「よし、ここで勝負に出ろ!ガツンと行け!」
自分を鼓舞した後、「心を鬼にしろ」と命令を下し(自分にね)、彼に声を掛ける。
「Sさん、お疲れ様です。では、また」
「えぇ、お疲れ様です。どうも有り難うごさいました。えぇ、さっき走った2号線の両サイドには、えぇ。まぁ、×××で、初めて見るお店ばかりでして、それで…」
「はい、こちらこそ有り難うごさいました。今から仕事なんで、それでは」
無理に話を遮り、駐車場を立ち去る俺。

「終わった…」
「勝った…」
クランクを回しながら、自然と安堵の表情に。
ただ、Sさんの立場で考えると、心が少し痛む。
旅先で知り合いと飲み、走り、楽しみ、最後に適当な対応をされるのは、やはり不愉快だろう。
「俺には俺の都合があって…。本当に、鬱陶しそうにしてごめんなさい、Sさん…」

ちなみに、Sさんを本当に鬱陶しいと感じるのは、次回からの話。

つづく

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