(959)三重県から来たロード乗りの客人~ショートメッセージが怖い①~

パソコンのメーラーを起動し、仕事のメールをチェックする。
「あ~、面倒くさっ」
「あ~、しんどっ」
出社後、たった5分で集中力が切れた。

何となく、机の右端に置いたスマートフォンに目を向ける。
「あっ」。
点滅する通知LED。
会社に向かっている間、電話なりメールが入ったのを、俺は気付かなかったのか。

「多分、取引先からの連絡やろ」
スマホを手に取り、スリープを解除する。
と、つい1時間前まで、一緒に阪神しまなみ海道を走ったSさん(三重県在住 40代 男性)からのショートメッセージ。

Sさんは、俺と違い常識人。
大人。
一緒に走った後、いつも、お礼のメッセージを「1通」送ってくれる。
「お疲れ様でした。今日も有り難うございました。また、次回も是非~~~」という内容の。

俺は、いつも「ご丁寧に」と感心するが、同時に「面倒くさいなぁ」とも思う。
Sさんに限らず、こういう類のメッセージは「面倒くさいなぁ」と思う。
まず、読む手間と返事を書く手間が発生する。
また、本音である「あっそ。またね」を、「こちらこそ有り難うごさいました。おかげさまで、本当に充実した時間を過ごせました。次回も是非~~~」という、建前へ変換する作業まで追加されてしまう。
仕事以外では、なるべく向き合いたくない作業だ。

「ま、適当に読もか」
メッセージアプリを操作する。

——————–
(Sさんのメッセージ)
昨日、今日とありがとうございました!
このまま帰るのも寂しいので、ギリまで商店街を飲み歩いてから帰ります!

(俺の感想)
あっそ。
お好きにどうぞ。
それはそうと、ええ歳こいて「ギリ」はやめて。
——————–

1時間前、ライドを終えた我々は、尼崎の銀行駐車場で別れた。
そして、俺は仕事。
今に至る。
Sさんは、そのまま車に乗って三重県へ向かっている…と思われたが、まだ尼崎。
思い返せば、駐車場の最大料金がどうのこうのと言っていた。
また、昨日、ホルモン焼きを食べ歩いた商店街を、よほど気に入ったのだろう。

さて、本音を建前に変換し、返事を書こう。
「あ~、面倒くさっ」

——————–
(俺の返事)
こちらこそ有り難うございました。
では、商店街を楽しんで、事故の無いよう気を付けて帰って下さいね。
——————–

「送信」を押した後、頭を切り替えてパソコンに向かう。
仕事関係のメールを、すべてチェックしなければならない。
「なるほど。○○さんとこって、いつもトラブルを抱えてるよな。ほんま、俺に面倒くさい話を振ってこんといてやぁ」
「××さんとこは、進捗、かなり遅れてるよなぁ」
「△△さんは、普通に、当たり前にこなしてるなぁ。やるね!」
「□□さんとこも、まぁまぁ順調やな」
「うんうん」
「はいはい」
ひとり頷いていると、「ブッ」。
机の端で短い振動音。
「取引先からか」
スマホを手に取って確認する。
「うん?」
Sさんからのメッセージだった。

つづく

いつも読んでくれて有り難うございます。
しばらくの間、ロードバイクとは関係しない話が続きますが、宜しくね。
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