(1004)心霊写真を鑑定してもらう-2

仕事帰りに、「今日はもうちょっと走ろかぁ」と、遠回りして尼崎をうろついた。
商店街で買い物もせず、クランクを回すだけ。
距離を稼ぐために、 クランクを回すだけ。

回しながらも、「う~ん」。
気になる。
どうも気になる。
Hさん(このブログの読者)が「写ってません?」とコメントした、過去記事の画像。
真ん中と右に霊が写っている…らしい、廃墟内部の画像。
頭から離れない。

脚を止め、「もう何度目なんやろ?」と思いつつ、スマートフォンで画像を確認。
拡大と縮小を繰り返し、「う~ん、やっぱり見えへんなぁ」。

Hさんとは会ったことがない。
彼は、このクソブログの記事に対し、ちょくちょくコメントを残してくれる。
そして、俺は返信する。
それだけの関係。
ただ、些細なやりとりの中でも、彼がしょうもない嘘を吐く人とは思えない。
いい加減なことを言うメリットも無い。
おそらく、当該の記事を読んだ際、素直に「霊が写ってる…」と感じ、俺に伝えてくれたのだろう。
しかし…だ。
俺には分からない。
彼の言う、廃墟内部の真ん中と右。
拡大と縮小を繰り返しても見えない。
霊が見えない。
本当に、お手上げだ。

家に帰って風呂に入り、「ちょっと飲みに行こかぁ」。
ジャージに着替え、軽くジョギングしながら飲み屋へ向かった。

「とりあえず、瓶ビールを。キリンで」
カウンターに腰掛け、何となく明日の予定、仕事の予定を考えていると、「そういうのはやめとけ。酒が不味なるわ」。
そう訴えるもうひとりの自分が、頭の隅にいた。
「確かに、その通りやなぁ」
頷きながらグラスに手を伸ばす。
と、ふいに肩を叩かれ、振り返る。
Mさん(70代 男性 飲食店オーナー 飲み友達)がいた。

「おう、krmさん、久しぶり」
「あ、Mさん、これはどうも」
隣に座るMさん。
「krmさん、最近はどう?仕事は忙しい?」
「まぁ、大して利益にならんプロジェクトに振り回されて、無駄にバタバタしてる…って感じですかねぇ。Mさんはどうですか?」
「いやぁ、うちは暇やで。自慢じゃないけど暇やで。あ、でもな、一昨日とその前は忙しかったなぁ」
「忙しいんか暇なんか、どっちなんですか?ほんま」
「まぁな。ははは」

Mさんは、俺からすると親に近い年齢だが、頭が柔らかいと言うか若い。
また、商売で成功した経験があるからか、逆に腰が低い(カスほど態度がでかいものです)。
上から来ずに目線を合わせてくれる。
だからこそ、一緒に酒を飲み、どうでもいい話をしつつ楽しい時間を過ごせる人なのだ。

ビールを飲みながら、Mさんの話に耳を傾ける。
「あのなぁ、最近なぁ、寝るんが早くなってな、体調、めっちゃええねん」
「え?寝るんが早い?Mさん、夜中?早朝?まで、映画を観てるって言ってませんでした?毎日毎日」
「それがなぁ、ちゃうんや。仕事終わってベッドに横になるやろ?前はテレビをつけて、映画を観てたけどなぁ、今はなぁ、怪談話の番組を観てんねん」
「ほう、怪談話」
「そう。じゃあな、すっと寝れるんや。不思議なことに」
「あぁ、分かりますわぁ。自分、怖い話が好きでね、『俺をびびらせてみろや』とか思いながらYouTubeで怖いのを観てるんですけどね、寝る時に観たら、子守唄みたいな効果があるんですかね?すぐに寝てまいますわ」

「それはあるんかも知れんなぁ。そう言えば、最近はお坊さんも怪談を語ってるみたいやなぁ。krmさん、知ってる?」
「それは、三木大雲和尚ちゃいます?」
「あ、その人や。三木大雲和尚や。あの人の話はええなぁ」
「ねぇ。三木大雲和尚は、おっとりした口調で聞きやすくていいですね」
「そうやなぁ。三木大雲和尚の話はな、怖い話でも聞いてて居心地がええわ」
「ほんまにねぇ。Mさんは、三木大雲和尚の話で『これは(怖い話として)ええ話やったわぁ』ってあります?」
「そうやなぁ。いろいろとあるからなぁ」
「ほら、あの、三木大雲和尚が本屋に行った話なんかは?」
「あ、三木大雲和尚が本屋に行った話な!」

三木大雲和尚の話で盛り上がりながら、ふと思い出した。
「Mさんって確か…」
彼は霊感があるそうで、数々の悪霊を退散した…ことは無いが、これまで不思議な体験をしている。
何度か聞いたことがある。
「ちょうどええな。心霊写真か何か分からん画像、この人に鑑定してもらおか…」

つづく

いつも読んでくれて有り難うございます。
この話は、次回で終わる予定です。
また読んでもらえると嬉しいです。
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