(1034)ロードバイク超初心者の頃に戻りたい…と思った夜-1

仕事から帰り、「疲れたわぁ」と布団に横たわる。
このまま焼酎でもちびちび飲んで、眠りにつきたい。
が、「ええ加減、取りに行かなあかんよな…」と思う。
「面倒くさ…」

「面倒くさ…」
「店のおばちゃんが持って来てくれたらええのに」
「ほんま、気が利かんよなぁ」
「まぁ、そんなサービス、もともとあれへんけどなぁ」
文句を言いながら、クリーニング屋へと歩く俺。

コートをクリーニングに出したのは、5日前。
受取日は2日前か3日前。
「取りに行かなあかんなぁ」
気にはなっていた。
ただ、「仕事が忙しいせいで…」や「疲れてるから…」と、自分自身に言い訳を重ねて放置。

「はぁ…」
本当に面倒くさいが、クリーニング屋に迷惑を掛けるのは良くない。
取りに行かなければならない。
「あぁ…」
家に引き返したい気持ちを抑え、疲れた体で一歩ずつ進む(しかない)。

と、「そういえば…」。
クリーニング屋の近くに、Iさん(40代 男性 ちょっとした知り合い)の経営する飲み屋があることを思い出した。
「帰りに寄ろかぁ」
ゴールが「クリーニング屋」から「飲み屋」に変わり、俺の中で活力が生まれた。
歩調が自然に速くなる。

コートを受け取った後、Iさんの店へ。
「いらっしゃーい。おー、krmさん、久し振りですね!元気にしてました?」
笑顔のIさんに会釈した後、俺も笑顔で返す。
「はい、ほんま、久し振りですね。ずっと仕事でバタバタしてましたけど、元気は元気ですよ」
「それは良かった。はいはい、どうぞ。そちらへどうぞ」
カウンターの隅の方に案内された。

「とりあえず、何にしましょ?」
「ハイボールで」
「はーい」
コートが入った重たいバッグ。
隣の空いた席に置き、何となく店内を見回す。
店主のIさん、俺、少し離れた席に座る男性客の3人しかいない。

気持ち良さそうに酒を飲み、調理中のIさんに対し一方的に絡む男性客。
40代半ばか?
「聞いて下さいよ~」
「はぁ~。ほんまにねぇ、会社のこれから、展望を考えるとねぇ、もう頭が痛くなるんですよ~」
「ほんまに、課題が山積みで…もう」
「最近、ちょっとはマシになりましたけど、コロナで最悪の時は、毎日毎日とことん悩みましたよ…」

酒を飲みながら、仕事の愚痴を言いたい。
その気持ちは分かる。
ただ、何の解決にもならない。
「解決するには、徹底的に現実と向き合うしかないよ」
そう思いながらハイボールを飲んでいると、「近々、ロードバイクを買おうか思ってるんですよ」。
続けて、男性客の声が聞こえた。

「ほんまにねぇ、コロナで最悪の時期。ほんま、最悪の時期やったけど、在宅勤務でねぇ、時間にゆとりができてねぇ。暇さえあれば『体を動かそか』と思って、自転車で近所を走り回ってたんですよ」
「でね、『今日はもうちょっと遠くまで走ってみよか』を繰り返してたら、サイクリングが好きになったんですよ」
「自分が乗ってる自転車は、ママチャリをスポーツタイプにした程度のやつなんですけど、『ロードに乗ったら全然違うんやろなぁ』思ってねぇ」

「まさに全然違うよ!」と叫ぶのを我慢しつつ、ハイボールをちびちび飲む。
と、Iさんが口を開く。
「そちらの人、krmさんっていう方なんですけど、ロードに乗ってますよ。結構、前から乗ってますよ。ね?」
この一言で、俺と知らない男性客が繋がれた。

つづく

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