(1035)ロードバイク超初心者の頃に戻りたい…と思った夜-2

「え!?ロードバイク、乗ってるんですか?何ていうのを?」
近くの席でジョッキを握る、知らない男性客に問われ、「えぇ、まぁ、Bianchiのを」。
ハイボールを飲みながら答える俺。

「Bianchiですか~。自分も近いうちにロードを買おうと思ってて、ネットで色々調べてるんですけどね、あの色、いいですねぇ」
「そうですね。個性的で、変わった色って意味ではすごくいいと思います。車の運転手や歩行者の目を引きそうで」
「は~」
「実際、意味があるのかは分かりませんけど、事故防止に役立ってるかも…と思う時がありますね」

またハイボールを喉に流し、「おぉ…」。
正直、ゾクゾクしてきた。
他愛も無い会話でもゾクゾクしてきた。
普段の生活において、俺の周りにロード乗りがいない。
そのため、ロードについて語りたくても語れない。
が、ついに来たのだ。
まともに語れる機会が訪れたのだ。

「Bianchiのどんなロードに乗ってるんですか?」
「はい、『ARIA 105』っていうんですけど…、あの…」
説明を始めようとしたところで、言葉に詰まる。
そうだ。
「待ってました!」とばかりに語り倒した場合、「面倒くさい奴」と思われるかも知れない。
せっかくの機会をぶち壊してしまうかも知れない。
「OK」
ここは慎重に進めよう。
マニアックな話を避け、なるべくライトな感じで説明しよう…としたところ、「写真はありますか?」。
確かに、写真を見てもらった方が早い。

スマートフォンのアルバムから適当な写真を選び、「これです」。
男性客に提示する。
「おぉー!めちゃめちゃいいじゃないですか~。格好いいですね!」
何だろう?
自分のロードを褒められると、自分が褒められてる以上に嬉しいような。
気持ちの高揚を感じる。

「これって、カーボンですか?アルミですか?」
「フレームはカーボンですよ」
「おぉ、カーボンですか。高いんですよねぇ?自分もカーボンのが欲しいなぁって思ってるんですけど、予算の問題がありましてね~」
「今は安い価格でカーボンの完成車があると思いますよ」
そう答えた後、続けて、「もう10年ぐらい前になるんですけどね、俺が初めてロードを買った時はアルミしか選択肢が無かったんですよ。カーボンは高くて高くて。そう言えばね、当時、『カーボンバック』といってね、なんとかかんとか…どうたらこうたら…でね、(遠くを見詰めて)今は消えたんかなぁ」と語りそうになったが、耐えた。
自制心が働いた。
カーボンバックの話など誰も聞いていない。
誰も聞いていない話を長々と語っては、「鬱陶しい奴」と思われるかも知れない。

「そうですか~。カーボンでも安いのあるんですねぇ」
「まぁ、安いと言っても10万円台前半…は最低でも」
「それやったら予算の範囲内です。いやぁ、楽しみ!帰ってからネットで調べます!」
笑みをこぼす男性客を見て、「最初の1台をカーボンにこだわらんでもええんちゃう?」と思う。
アルミにはアルミの良さがあるのだ。
ただ、その辺りを語り始めると、「だるい奴」扱いされる懸念が。
「OK」
自重しよう。

「もうね、最近はネットで調べるんが楽しいんですよ。『どのメーカーのどのロードを買おうか?』って考えながら調べるとねぇ、めちゃめちゃ楽しいんですよ」
「あぁ、分かりますわぁ」
共感。
俺も初めてのロードを買う時、ネットで調べまくった。
自分に適したロードを調べまくった。
もう、プロを目指す勢いで。
結果、予算の問題で「ANCHOR RFA5」に。
20色ほど用意されたフレームカラーから「何色にしよ?」。
パソコンの画面を見詰めてはニヤニヤしたものだ。

振り返れば、そんな時期が一番楽しかったのかも知れない。
買うまでの時間が、一番楽しかったのかも知れない。
きっと、今の男性客は最高の時間を過ごしていることだろう。
画面を見てはニヤニヤし、そして注文。
ドキドキ…ドキドキ…。
納車日を迎え、期待に胸を膨らませて、念願のロードを受け取りに店へ。
「おぉ、ロードって、ママチャリと全然違う!」
感動。
ドロップハンドルに慣れた後、「ビンディング?ってのにしてみたいなぁ」。
何度か立ちごけを繰り返し、その都度、立ち上がる。
そして、自分の体力、脚力を勘違いし、200㎞の旅に出るのだ。
俺のように。

「あぁ…」
ハイボールを飲み干し、心の底から思う。
「羨ましいなぁ…」と。

いつも読んでくれて有り難うございます。
また、次回も読んで下さいね。
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