(1037)パーフェクトデンキ 藤沢店 佐藤さんからの電話-2

「krm、お前、もっと飲めよ」
友人にビールを注がれる。
「明日、早く出社せなあかんから、飲み過ぎはあかんねん…」と思いながらも、ついついぐいっと飲み干した。
おっさんふたりの飲み会。

「はぁ~」と溜め息をつき、「ちょっと聞いてくれよ」と友人。
「最悪やで。来週から出張やねん」
「出張なぁ。仕事も生活のペースも狂って、ちょっと辛い面もあるなぁ」
「そうや。krmも分かるやろ?こっちで普段通り仕事してる方が楽やで」

「で、どこ行くねん?」
「東京や。1週間ほどな」
「ええやん。東京、俺も連れて行ってくれよ。手伝うで」
「いや、観光で行くんちゃうし、お前を連れて行くん、上にどう話を通したらええねん?」
「ま、そうやわな。でもな、東京で仕事のスケジュールぎっしりでも、飯食いに行くぐらいのちょっとした時間はあるんやろ?」
「そら、あるよ」
「ええやん。羨ましいわ。俺、東京の蕎麦を食いたいねん」

「え?krm、お前、蕎麦好きやったか?」
「まぁ、小さい時から人並みには食ってた思うけど、好きになったんは10年ちょっと前、東京に出張行ってからやな」
「あ~、分かる気がするわ。駅そば、立ち食いそばの真っ黒けのやつな」
「そう。出汁が真っ黒けのうどんやと、『こんなもん食えるかよ…』思うけど、蕎麦はほんまに美味い」
「うんうん」
「その見るからにジャンクな蕎麦に、かき揚げを乗せたらな、もうめちゃめちゃ美味いで」
「分かるわぁ」

「そう言えばな、俺がよく行く蕎麦屋の店主がな、まぁ、こっちで生まれ育って、こっちで店やってる人なんやけどな、昔、蕎麦とか和食の修行をやな、東京でしてはってん」
「おぉ、krmの知り合いにそんな人がおるんか」
「うん。で、その人が言うにはな、『大阪が東京に勝てない4つの食べ物』があると。何やと思う?」

※よかったら、あなたも暇潰しに考えてみて下さい。

「えぇ、難しいなぁ。ぱっと出てけえへんわ」
「おいおい。まず、話の流れ的に『蕎麦』や」
「あ、そうか。で、他に3つ。難しいわ」
「そやなぁ。ヒントとしては、『食文化』。昔からやな、こっちの人間は『てっちり』とか『てっさ』食うやろ?そんな感じや」
「いや、ヒントもらっても難しいで」
「じゃあな、『東京』を『江戸』に置き換えて考えたらええわ」
「江戸なぁ…。余計に難しなったで…」

悩む友人に悪い気がしてきたので、答えを言う。
「言うで。『蕎麦』と『寿司』、『鰻』に『天ぷら』や」
「なるほどな。でも、こっちでも美味い店あるやん」
「いやいや、『蕎麦』は明らかに違うやろ」

と、友人が席を立ち、「ちょっとすまんな」。
スマートフォンを持ち、素早く店を出て行った。
おそらく、仕事の電話が入ったのだろう。
まぁ、いい。
ひとりになれて好都合だ。
気になって気になって仕方が無い、先程の電話について調べたい。
「0466」から始まる、正体不明の番号について調べたい。

Googleで「0466」を検索。
「はぁ?」
神奈川県藤沢市の市外局番。
「俺、藤沢に知り合い、おらんで」と思う。
20年ほど前、鎌倉観光をした際、藤沢の安いホテルに泊まったが、知り合いはいない。
ひとりもいない。
となると…だ。
身内が何かの事情で藤沢を訪れ、そして事故に遭い、藤沢の病院から電話を掛けてきたのかも知れない。
嫌な予感がする。

「0466-××-××××」
電話番号の全てを入力し、検索。
「藤沢○○病院ではありませんように…」と願いながら。
「頼む…」
検索結果が表示された。
「パーフェクトデンキ 藤沢店」
俺は心の中で叫ぶ。
「聞いたことないよ!」

兵庫県に住む俺が、家電製品を買うために、わざわざ藤沢まで足を運ぶわけがない。
梅田のヨドバシで十分だ。
なら、ネットで買い物をしたのか?
ネットでパーフェクトデンキ藤沢店から買い物をしたか?
それも無い。
家電製品を買った記憶が無い。
最近、鼻炎の薬ならネットで買ったが。

「結局、ただの間違い電話か…」
ひとりで勝手に心配し、アホらしくなった。
軽く投げるようにスマホをテーブルの上に置く。
と、「あら?」。
画面最上段に留守番電話のアイコンが表示されているではないか。
「何や?」
再生。

つづく

※この記事に登場する企業名、個人名は仮名です(ヨドバシ以外は)。

いつも読んでくれて有り難うございます。
ついでに押してもらえると嬉しいです。
↓↓↓↓↓

にほんブログ村 自転車ブログ ロードバイクへ
にほんブログ村

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする