(1047)すき焼き、食いたい…と強く感じた土曜日の話。

仕事の後、部屋で酒を飲んでいると、友人から電話が入った。
「おぅ、krm。来週の土曜、何か予定あるか?」
「俺なぁ、仕事やわ」
「そうか。昼の2時か3時ぐらいからな、みんなで飲みに行こう思ってんねんけどな」
「う~ん、早めに終わらせても、その時間はちょっと難しいわぁ」
「それやったら、後から来たらどうや?」
「まぁ、仕事が終わってからやったらええけど、ちなみに、誰が来るん?」
「俺とFとK。あと、Yも誘ったわ」
「え…」

Y。
自分が世界の中心に存在し、常に世の中の注目を浴び続けている…と錯覚している初老の男性。
自己愛が強く、自己評価も高い。
まぁ、それはそれで結構だ。
しかし、俺は彼が好きではない。
興味が無い。
知りたいことも無ければ、聞きたいことも無い。
が、彼はいつも「誰も聞いてへんのに…」とうんざりするような自分語りをする。
異常に長く、そして熱く。
あと、酒癖も悪い。

ニーズの無い自分語り。
それに対し、「うんうん、そうですね」と付き合ってあげることを、俺は優しさだと思っていた。
しかし、「相手がどう思っているか?」を察する能力が無い人間には、優しさは理解されない。
優しくするだけ無駄。
時間も無駄。

「面倒くさ…。やめとこ」と判断。
友人には、「やっぱり行かんとくわ。3人で楽しんでくれよ」。
そう伝え、俺は電話を切った。

土曜日。
山積みの作業をこなす。
トラブルも無く順調に進み、「一応、休日出勤やし、今日はこんなもんでええやろ」。
入口の脇に立て掛けたロードバイクを担ぎ、会社を出た。

家には向かわず、敢えて遠回り。
暗くて前が見えにくいが、サイクリングロードを走る。
と、太ももに振動。
「何や?」
脚を止めて確認すると、友人からのLINE。
見映えの悪い、酔っ払ったおっさん3人の画像。
そして、「盛り上がってんで~」のコメント。
更に、すき焼きの画像。

羨ましい。
普段から、「人を羨んでも自分が惨めになるだけ」と思い、「人は人。俺は俺」を貫いてきた。
が、羨ましい。
心の底から羨ましい。
俺は食いたい。
すき焼きを食いたい。
カスの自分語りに付き合わされても、すき焼きを食いたい。

しかし、誘いを断った手前、今さら「やっぱり行くわ。すぐに向かうわ」は言いにくい。
俺にもプライドがある。
となると…だ。
ひとりですき焼きを食える店。
それが、近所にあるかどうか。
考える。
無い。
「ひとり焼肉」はあっても、「ひとりすき焼き」は無い。

参った。
頭からすき焼きが離れるまで、何日かかるか分からない。
その間、俺は友人たちを羨み、劣等感を抱き続けるだろう。
「あぁ…」
回避したい。
それは、何とか回避したい。

とは言っても、すき焼きを食える環境が無い現実。
「本当に可哀想なボクちゃん…」
自分を哀れんでいると、「あっ」。
思い浮かんだ。
「ほっかほっか亭で、すき焼き弁当があったよな」
急いで家に帰り、着替えてほっかほっか亭へ。

「牛すき焼弁当」を注文する際、「うどん入り」と「うどんなし」を選択できた。
が、うどんはいらない。
すき焼きにも鍋にも、うどんはいらない。
うどんはうどんとして、独立した料理だ。
だから、うどんはいらない。

さて、弁当を食ってみると、なかなか美味かった。
「うん、いいねぇ」
「いいねぇ」
心は満たされつつも、食べ進めているうちに、「あら?」。
違和感を覚える。
「俺は何と戦ってたんやろか?」と。

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