(222)チーム・ユンボ・ヴィスマのその後-6

第13ステージは、個人タイムトライアルだった。
全選手、ひとりひとりが、時差を設けて出走し、タイムを計測する。
チーム・ユンボ・ヴィスマのウァウト・ヴァンアールト選手(ベルギー)は、ツール・ド・フランス2019の1ヶ月前、別のレースにおいて、個人タイムトライアルで勝利を収めている。
当然、俺は、この第13ステージにおいても、彼の優勝に期待を寄せたのだが、リタイア?
ネットの記事がいまいち信じられない(と言うか、信じたくない…)。

YouTubeで、ステージのハイライトをチェックする。
黒、黄、赤のベルギーチャンピオンジャージを身に纏い、出走するヴァンアールト。
「この、ジャージ、めちゃめちゃ格好いいやんけ。Y’sロードかどっかで売ってへんかなぁ」と思った次の瞬間、落車のシーン。「うん、見事に落車してる…」。
コーナーを曲がる際、柵に接触。
そして、引っ掛かって、コテンといった…。
股関節から臀部にかけて重症とのこと。
ステージ優勝を狙える選手だけにもったいない。
また、チームから1人抜けたことは、戦略上、大きな損失だろう…。

第14ステージ、第15ステージ、第16ステージと、ステフェン・クライスヴァイク選手(オランダ)は、今まで通りの活躍を見せる。
ステージ優勝は果たせなかったが、個人総合3位をキープ。
首位まで1分47秒差だ。
「なかなか、いい位置にいるではないか」と、ほくそ笑んでいたところ、またわけのわからん災いが降りかかってきた。

第17ステージ。
その日、俺は寝坊した。
いつもなら、出勤してパソコンを立ち上げ、ネットでニュースをさらっと見ている時間に、俺は起きる。
朝っぱらからドタバタで、ツールのことを完璧に失念していた。
夕方、仕事を終え、ひとりで蕎麦屋で飲んでる時、「あ、ツールは?」。
ふと思い出し、レース結果をチェック。
「『最高気温39度の中、選手たちは…』か、すごいな」。
「クソすぎる暑さやな。俺やったら、出走せずに逃走するわ」。
「クライスヴァイクは、首位まで1分47秒差で3位をキープね。OKOK」。
「で、『DSQ トニー・マルティン ドイツ ユンボ・ヴィスマ』?DSQって何?」。

「DNS」は知っている。
「Do Not Start」た。
何らかの事情で、スタート前に棄権。
「DNF」は、「Do Not Finish」。
スタートしてから、何らかの理由で棄権。
で、「DSQ?」。
調べてみた。
「Disqualified 失格」。
「失格?」。
意味がわからない。
また、現実を受け入れ難い。
どういったシチュエーションだったのか、落ち着いて調べてみた。
どうやら、集団の先頭に出ようと位置どりする過程で、マルティンとルーク・ロウ選手(イギリス チームイネオス)の間に小競り合いがあったと。
そして、両者失格と。
「はぁ?」。
「レースの中で落車して、怪我でリタイアならわかるのだが、何?」。
チーム・ユンボ・ヴィスマは、貴重な戦力を、また1枚失った。

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