(257)さいたまクリテリウムを含む、最高の関東旅行。~後楽園ホール~

フルーム選手に別れを告げ(まぁ、向こうは俺のことなど気にも留めていないだろうが)、乗り換えのため、そして国技館やきとりを買うため、俺は上野駅で電車を降りた。
秋葉原に向かう、次に乗る電車の乗り継ぎをスムーズにしつつも、駅弁売場にも足を運ばなくてはいけない。
気を引き締め、土産物売場、駅弁屋に目をやる。
「ここか!?」と思って陳列された商品をチェックし、「違ったか…」を二度繰り返し、やっと見つけた国技館やきとり。
さっと清算を終え、小走りにホームに向かったが、乗る予定の電車が発車した後だった。
中途半端に空き時間ができたので、売店で小さいペットボトルの芋焼酎をふたつ買い、再びホームに降りたところ、今度は都合良く電車が来た。

秋葉原で乗り換えて、水道橋へ。
駅を出て少し歩くと、東京ドームが見える。
過去に、野球やプロレス観戦で東京ドームを訪れたが、その時に感じたワクワク感が、また俺を支配した。

後楽園ホールに着く。
ここでプロレス観戦をするのは、初めてだ。
プロレス中継やプロレス雑誌で、何度も目にした聖地。
ついに足を踏み入れる時が来た。
あらかじめ調べた通り、エレベーターで5階へ。
試合開始の40分ほど前だったので、入口、ロビー周辺ははあまり混雑しておらず、席に着く前にホール内を観察したくなった。

売店がある。
「さすがやなぁ」。
色々な会場でプロレス観戦した俺としては、会場に売店があると無いとではえらい違いで、しょぼいフランクフルト程度でいいのだ。
売店で買った、そういった物を食べながらプロレスを観戦すると、味わいがあっていい。
「さて、何が売ってるのかな?」と店先をのぞいたところ、俺はショック死しそうになった。
「国技館やきとり、ここでも売ってるやん…」。

南側の一番奥の指定席に着いて、会場を眺める。
大きすぎないサイズの会場だ。
照明が消え、リング上のみ明かりを照らす。
奥の席からでも、リングがすぐそこに見え、音も熱気も強く感じられる。
「あぁ、あれは、俺が中学生の時だ」。
何気なく思い出した。
大阪芸術大学の学祭で、FMW(電流爆破などのデスマッチをウリにしたプロレス団体)の試合があった。
入場無料で、大仁田厚選手を筆頭に、FMWの選手達を間近に観られる。
当然、俺は芸大に足を運んだ。
試合前、大仁田厚選手とターザン山本氏(当時、週刊プロレス編集長)のトークショーがあり、そこで、ターザン山本氏が、「最高なプロレス会場の条件」について話していたことを、俺は記憶している。
「あぁ、あの人が言ってたのは、まさに後楽園ホールのことやってんな」と、今さらながら気付いた。

観戦中、ペットボトルの焼酎をちびちび飲みながら、国技館やきとりを食った。
たった5本でも、つまみとしては十分だ。
また、冷めてもおいしいところが気に入った。

試合は、前座からメインまで盛り上がりっぱなし。
「ここに来るお客さんは、ほんまにプロレスが好きな人ばっかりなんやなぁ」と感心するぐらい、選手の一挙手一投足に注目し、歓声を上げ、拍手を送る。
お客さんが雰囲気を作ってくれるので、試合がしやすいのか、選手からも「観客を沸かせたる」という気持ちが伝わってくる。
まさに好循環な大会を目の当たりにして、俺は雰囲気にも、酒にも酔った。

後楽園ホールを後にする頃には、もうふらふら。
試合結果など忘れてしまい、ただ満足感に浸りながら、予約したホテルに向かう。
「えと、御茶ノ水にあるホテルやったな」。
スマートフォンで地図を確認しながら、慣れない街を歩いた。

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