(260)さいたまクリテリウムを含む、最高の関東旅行。~杉本寺~

鎌倉観光は、今回で4回目になる(多分)。
「夕方には新横浜に着いて、新幹線に乗らなあかんな」。
ゆっくりと鎌倉を満喫したいところだが、俺なりに時間の縛りがあるため、訪れる名所をピックアップしなくてはいけない。
「では、こことここ」。
訪れたい場所として、2箇所、簡単に答えが出た。
ひとつは杉本寺だ。

交通量が特別多いわけではないが、それなりに車が走っている狭い車道。
その脇に、おまけ程度にある、これまた狭い歩道。
前から人が歩いてくると、道を譲るか、または半身になって進まなくてはならない。
しばらく歩くと、それがだんだん面倒になり、後ろを振り返り、車が走っていないことを確認した後、車道を歩くことにした。
歩道を少し進んでは、「あ、また、前から人が歩いてきた。車道を歩こうか」を繰り返し、やっと杉本寺に着いた(実際の距離より長く感じた)。

「やっすー」と思いながら、入山料の200円を支払い、仁王門をくぐる。
杉本寺の見所のひとつ、苔の石段を見えた。
この石段は、通行が禁止されているので、眺めることしかできないが、なかなか風情がある。
俺は、近畿の人間なので、京都を身近に感じるが、京都のお寺は観光名所として完成されすぎていて、残念に思うこともある。
その点、鎌倉のお寺、特に鎌倉最古であるこの杉本寺は、無骨な感じが素敵。
「味があっていいねぇ」。

苔の石段の隣にある石段をとことこ上っていると、老夫婦が現れた。
奥さんは立ち止まり、辺りの自然を観察している。
旦那さんは、ひとり石段を上っている。
後から来た俺は、奥さんの横を通りすぎ、旦那さんの近くまで上った時、「階段はこたえるねぇ。まだ先もあるのか?」。
振り向きざまに、そう言われた。
俺は焦る。
おそらく、旦那さんは、石段を上る俺の足音を聞いて、奥さんが上ってきたと思ったのだろう。
旦那さんも焦りの表情だったが、俺は気を取り直し無言で通りすぎた。

茅葺屋根の本堂。
歴史を感じさせる、素朴な佇まい。
靴を脱いで中に入ってみると、薄暗く、それぞれをはっきりとは見えなかったが、10体ほどの仏像が迎えて下さった。
「お邪魔します」と心の中で言う。
本堂の中には、観光客が、俺を含めて3人しかおらず、おかげでゆっくり参拝できた。
俺は、仏像の前に正座し、手を合わせる。
Buddhistの端くれとして(←ちょっと言ってみたかった)。

薄暗い本堂を出ると、外の光がえらく眩しい。
「それはそうと…だ」。
俺は境内の脇にある、緑に囲まれた階段を見詰めた。
「この先に何かあるんやろか?」。
気になる。
「階段の先を確認せずに帰ったら、後から後悔しそうやなぁ」。
痒いわけでもないのに、顎をかぎながら、「行こう」。
決めた。

階段を上る。
上る。
上る。
「まだ、先があるんか?」。
上る。
上る。

行き止まり…。

上って後悔した。

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