(261)さいたまクリテリウムを含む、最高の関東旅行。~報国寺~

「ほんまに歩きにくい道やなぁ」。
イライラしながら次のお寺に向かって歩き、ふと思い出す。
そう言えば、俺はもともと「レンタサイクルを借りて、鎌倉を走りながら観光しよう」としていた。
が、道が狭いこの環境では、快適なサイクリングは難しかったのかも知れない。

報国寺。
10年以上前に初めて訪れた際、ここにある竹の庭を眺め、「なんて幻想的な場所なんだろう」と魂が揺さぶられた。
未だにその記憶が残っているので、鎌倉観光でここだけは絶対に外すことができない。

山門をくぐり、コンパクトにまとまっお庭を横目に参道を歩く。
すると、立派な本堂が視界に入るが、「まずは竹の庭へ」と、隣の受付に足を進める。
拝観券を買う。
ちなみに、茶席で抹茶を味わえるお得なセットもあるのだが、俺は抹茶が苦手なのでパス。
どうでもいいが、お菓子で、ベーシックな味ではなく抹茶味を選ぶ人の気持ちが俺にはわからない。
まぁ、顔はおっさん、口(味覚)は子供なんでね、俺。

「聖域…」。
そう感じられるほど、たくさんの竹が天に向かってそびえ立ち、その間の狭い道をゆっくり歩く。
心地よい。
が、前方に、写真を撮りながら足を止めて騒いでいるおばちゃんの集団に出くわし、「雰囲気、ぶち壊しやなぁ」と思う。
おばちゃん達が前に進むのを待つ。
なかなか俺に気付いてくれない。
「みんなでワイワイして楽しいのはわかるが、まわりを見て他人に迷惑にならないか考える能力が無い人って、見てるだけですごく不愉快」。
嫌みのひとつでも言ってやろうかと思ったが、「ちょっとすみません」とひとこと言って、無理矢理おばちゃん達の間を突っ切った。

竹。
竹。
竹。
たけ。
竹に魅力され、進んだ先が、枯山水。

近くにベンチがあったので、座ってぼんやりする。
まわりに外国人の観光客が何人かいる。
枯山水を見詰めるのに飽きると、「この人は、どこの国から来たんかなぁ?」と、勝手に想像して、ただただぼんやりする。
実は、鎌倉駅からここまで歩く中で、左足の親指の付け根に痛みを感じていた。
なので、足を休める意味でもいい。
ただただぼんやりすることが。

20分ほど枯山水の前でぼんやりし、「そろそろ帰ろか」となった。
急いで西宮に帰らなくてはいけないわけでもないが、なるべく早く帰ってゆっくりしたい気持ちもある。
山門を出てとことこ歩くと、右手にバス停が見えた。
バスに乗って鎌倉駅に出たら、スムーズに帰れる。
ただ、乗り慣れないバスは、乗るのが怖い。
ルールがわからない。
「どこまで乗っても一律料金!」ではなく、整理券を取って、乗った距離だけ料金を払うタイプのバスには、正直、尻込みしてしまう。
精算の時にとまどって、他の客の前で恥をかくのも嫌だし、運転手にキレられるのも嫌だし。
いろいろ考えていると面倒くさくなり、俺は歩いて鎌倉駅に向かうことにした。

途中、宝戒寺というお寺の前を通りすぎた時、気付いた。
「ちょっと待てよ。俺、ここのお寺には入ったことがないわ」。
スマートフォンの時計を確認してから、足を踏み入れる。
以前、鎌倉のお寺を制覇する勢いで観光した際、宝戒寺の前まで来たが、閉門時間の後だったので、参拝できなかった記憶がある。
初、宝戒寺。
路地のような細い参道を進み、受付で拝観料を払おう。
としたが、受付には誰もいない。
「すみませーん」。
し~ん。
「すみませーん」。
し~ん。
「すみませーん!」。
数回叫んでも、あたりはし~ん。
「どうしたものか…」。
足が痛いので、しゃがみこんで、お寺の人が来るのをしばらく待つ。
少し寒くなってきた。

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