(39)スポーツタイプの自転車に乗ったことで、巡り合えた人たち-2

年に数回、知人Nさんと徳島県の鳴門に行く。
Nさんの趣味は釣り。
鳴門に鯛を釣りに行くついでに、俺も車に乗せてもらってる。
俺は釣りをしないので、車にロードバイクを積んで、ロングライドを楽しむ。
行きと帰りに以外、別行動なのだが、お互い好きなことができて良い1日になっていると思う。

その日も夜中に西宮市を出発し、早朝に鳴門市に着いた。
Nさんは釣りの用意をして渡船の乗り場へ。
俺はロードバイクに乗って、高松に向かって走り出した。
高松まで11号線をひたすら走り、約60㎞。
鳴門から走り出して10分もすれば海が見える。
「少し寒いな」と思い、30分ほど走ってコンビニに寄った。
何か温かいものをとっておこうと。

カップスープを買って、コンビニの前ですすっていると、駐車場に軽自動車がとまった。
「バタン」とドアを締める大きな音がきこえる。
音のする方向を見ると、眼鏡をかけたやや小太りの男性がいた。
年齢は、当時の俺より少し上か同じくらい。
40歳前後だと思う。
彼はスタスタと歩きだしたが、その方向がコンビニの入り口ではない。
何故か、駐車場の隅でカップスープを飲む俺の方向である。
顔をよく見ると、もともとそういう顔立ちなのかどうかはわからないが、どう見ても半ギレだ。
徐々に近づいてくる。

俺は、「なんじゃ!俺になんか文句あんのか!?かかってこいや!」と大声を出す気もなく、「カップスープ飲んでるだけやのに、何で怒られるんやろ…」と震えた。
男が目の前に来た。
「その自転車、いくらぐらいするんですか?」
普通にぶん殴られると思っていた俺は、こけそうになった。
本人は特に悪気もないのに、何故か怒ってると思われる人。
彼はそういうタイプなんだと理解した。
そして、落ち着いて答えた。
「完成車として買ったのは○○○○円なんですけど、そこから○○○○円のホイールに交換したり、ライトとか備品にもお金をかけたので、そういうのも込みだと○○○○円ぐらいですかね」と。
次に、「そうですか。どちらから来られたんですか?」と聞かれた。
「お、けっこう話がはずむやんけ!」と思い、西宮から来たけど、鳴門までは車で来た旨、鳴門から走り出してからそれほどたっていない旨を伝えた。
「そうですか。自分もこんな自転車が欲しいんで、買おうか検討したんですが、最近、車で事故をおこしてしまって、お金の面で問題がありましてね…」。
彼はそう言って、去っていった。
「結局なんだったんだ、この人は」と思い、少し冷めたカップスープを飲み干した。

※この記事は、2019年2月6日、俺が別のブログに投稿した文章を、加筆、修正したものです。

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